小型・軽量で人気の35ミリ判フルサイズの一眼レフD750の後継機の登場だ。画素数こそ大きな変化はないものの、5年という月日を経て大幅に進化している。税込実売で約27万5000円。
小型・軽量で人気の35ミリ判フルサイズの一眼レフD750の後継機の登場だ。画素数こそ大きな変化はないものの、5年という月日を経て大幅に進化している。税込実売で約27万5000円。

 35ミリ判フルサイズであるニコンFXフォーマット一眼レフとして、ロングセラー機のニコンD750がフルモデルチェンジ。D780として登場した。

【ニコンD750で撮影した作品はこちら】

 ニコンはミラーレス機のZシリーズの開発に傾注したように見えていたので、新しい一眼レフの登場は予想外であった。とはいえ、2020年はオリンピック年で、開発発表されているフラッグシップ一眼レフD6は正式な登場を待つばかりだし、一方のキヤノンはEOS-1D X MarkIIIを正式発表し、またAPS-C機のEOS 90Dも好調らしい。世界的にみれば一眼レフの人気は高く、無視することができないということだろう。

 特にD750は14年の登場から今日まで変わらぬ人気を維持しているミドルクラスのベストセラー機であるからなおさらである。高い性能とFXフォーマットセンサー搭載機の中でも入手しやすい価格のモデルとして、その地位は一眼レフシステムの中核にあり、ニコンとしても後継機を用意する必要があると考えたのだろう。詳細は後に譲るが一眼レフとミラーレスのハイブリッドカメラとしてD780を位置づけたい考えもあるようだ。

価格は少しアップも全面的に機能向上

 D780は、FXフォーマット機ながらも小型・軽量、防塵・防滴であり、モノコック構造を採用。重量は約840グラムで、D750と同等に抑えている。ストロボがなくなったこともあり、デザイン的にはペンタプリズム部分が兄貴分のD850と似てスマートになった。さらに「Nikon」の名板とマウントの距離が近いことで、マウント下部分の面積が小さく見え、全体に締まったシャープな雰囲気があるのはいい。

 バッテリーはEN-EL15bなのは変わらない。撮影可能枚数は静止画1コマ撮影で約2260枚と余裕がある。このためだろうか、D780には縦位置グリップは用意されていない。

 搭載された撮像素子は、有効2450万画素のCMOSセンサー。画像処理エンジンはEXPEED 6。感度はISO100~5万1200(拡張でISO50、20万4800に対応)。画質面に関しては、センサーとエンジンが同じミラーレス機のZ 6と同等だ。

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ニコン一眼レフ初の像面位相差AF