35ミリ判フルサイズの有効2450万画素で裏面照射型CMOSセンサー。ミラーレスのZ 6と同等の画質としている。階調の豊かさと、高感度での画質の高さは特筆ものだ。
35ミリ判フルサイズの有効2450万画素で裏面照射型CMOSセンサー。ミラーレスのZ 6と同等の画質としている。階調の豊かさと、高感度での画質の高さは特筆ものだ。

 一眼レフとしてファインダーを使用したときのAFセンサーはD750と同じアドバンストマルチCAM3500IIで、測距点は51点。アルゴリズムの見直しなどにより、フラッグシップ機のD5に迫るAF性能になっているようだ。また、今回の撮像素子には、ニコン一眼レフとしては初となる像面位相差AFを搭載。ライブビュー撮影時にはコントラスト/像面位相差のハイブリッドAFが使用でき、このときのフォーカスポイントは273点。これはZ 6を踏襲しており、ファインダー撮影とライブビュー撮影を切り替えたときのAF動作の違和感を小さくしている。低輝度時のAF対応はファインダー使用時でマイナス3EV、ライブビュー使用時にはマイナス5EVに対応する。さらにローライトAFに切り替えればマイナス7EVでの測距を可能としている。

 シャッター速度は最高で8000分の1秒。連写性能は最高約7コマ/秒。メカシャッターを使わないサイレント撮影で12ビットRAW記録であれば12コマ/秒、連続撮影コマ数は最大100コマになった。これはうれしい改善点だ。D750ではRAW時は最大25コマであり、連続撮影しても途中でシャッターが連続では切れなくなり、ガッカリすることが少なくなかった。

縦走りフォーカルプレーンシャッターは、D750の最高4000分の1秒から8000分の1秒になり、表現の領域をさらに広げた。高速動体を確実に静止させ、シャッターチャンスを生かす撮影も可能になる。
縦走りフォーカルプレーンシャッターは、D750の最高4000分の1秒から8000分の1秒になり、表現の領域をさらに広げた。高速動体を確実に静止させ、シャッターチャンスを生かす撮影も可能になる。

 倍率約0.7倍や視野率約100パーセントという数値は変わっていないが、ファインダー光学系は新規設計。

 D750から機能面の強化に加え、完成度を高めた正常進化系モデル。それがニコンD780なのだ。

使いやすさ向上 5年の月日は大きい

 D780の重さは約840グラム(バッテリーとカードを含む)で、D750と同じ。ニコンの一眼レフではD610があったが、こちらは約850グラムだから、FXフォーマットの一眼レフでは最軽量といえる。

 ストロボ非内蔵としたのは賛否ありそうだが、代わりに機能を詰め込んだのだろう。ミドルクラスというポジションや、高感度領域設定の広がりをみれば、うなずけよう。

 ボディーを握ると深いグリップ感とホールディングバランスのよさに感心する。バッテリーの位置がボディー側にあり、D750とは持った感覚は異なる。ただ、長時間片手で携行しても疲れない。ボディー前面のマウントの右上にあるプレビューボタンが小さくなり、Fnボタンの位置が微妙に変わったことが目につくが実用上の問題はない。

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D750との決定的な違いは?