スラム街の不審な女性に丸山ゴンザレスがされてしまったこととは… 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
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スラム街の不審な女性に丸山ゴンザレスがされてしまったこととは…

連載「カオスな現場の取材メモ」

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丸山ゴンザレスdot.#旅行
 世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレスが、取材先でメモした記録から気になったトピックを写真を交えて紹介する。
ピーナツが詰め込まれたお菓子の袋には「TAKO」とある。しかし、どう見てもイカである

ピーナツが詰め込まれたお菓子の袋には「TAKO」とある。しかし、どう見てもイカである

■ゴンザレスをじっと見つめる女性の目的は?

 これまで何度も心霊やオカルト取材をしてきたが、結局のところ「人間のほうが怖い」といつも思うのだ。陳腐なまとめだが、実際そうなのである。数えきれない「変な人」に出会ってきたが、ここ最近で鮮烈だったのはタイのスラム「クロントイ」にいた女性だ。

【写真】ゴンザレスに迫ってきた女性

 クロントイには何度も行っている。そのときはムエタイジムの取材で訪れたのだが、「せっかくなのでスラム飯でも撮影しよう」ということになった。串焼き屋台の前に陣取り、同行していたカメラマンが準備できたのを見て、私がレポートしようとした。すると次の瞬間、私たちの前に割り込んできたやつがいたのだ。

「なんだ!?」

 目の前に立ちはだかったのは女性だった。何がしたいのか、私をじっと見つめた後、手にしていた袋から何かを掴んで差し出してきた。見ると、茹ですぎてベシャベシャになったピーナツだった。思わず面食らっていると、続けざまにお菓子の袋を差し出してきた。受け取ると、その袋にそのピーナツを詰め込んできた。
挙動不審な女性。周囲の住人たちも距離を置いていた

挙動不審な女性。周囲の住人たちも距離を置いていた

 唖然としていると、いっこうに立ち去らない女性。どうしたものか。しかたがないので、殻を割ってピーナッツを口に放り込む。味はない。ただ、やはり茹ですぎだ。同行していたカメラマンたちも食べたが、顔をゆがめている。

「アローイ(美味しいね)」

 お世辞を言うと、女性は納得した様子で立ち去っていった。カメラマンに「なにあれ?」と聞くと、「ヤク中(薬物中毒者)でしょうね」と一言。

 女性が本当に薬物中毒者なのかはわからない。だが、「ヤバイやつは幽霊よりも対応に困る」という意味で、やはり「人間の方が怖い」という結論になるのである。(文/丸山ゴンザレス)

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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