動物園での猛禽類のショーで30メートルほど先から飛び立ちカメラ方向に飛来するミミズクを「トラッキング:ゾーンAF」で狙った。AFの食いつきを確認しながら手前約15メートルほどから、近すぎてフレームアウトする直前まで連写Hiモード撮影したのは1秒間にも満たなかったが、17コマ全てでかっちり顔の部分にピントが合っていた。なお、動物瞳AFの作動はこの個体とシーンでは確認できなかった●α9 II・FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS・344ミリ時・AE(絞りf6.3・1600分の1秒・+0.3補正)・ISO2500・AWB・JPEG(撮影/宇佐見健)
動物園での猛禽類のショーで30メートルほど先から飛び立ちカメラ方向に飛来するミミズクを「トラッキング:ゾーンAF」で狙った。AFの食いつきを確認しながら手前約15メートルほどから、近すぎてフレームアウトする直前まで連写Hiモード撮影したのは1秒間にも満たなかったが、17コマ全てでかっちり顔の部分にピントが合っていた。なお、動物瞳AFの作動はこの個体とシーンでは確認できなかった●α9 II・FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS・344ミリ時・AE(絞りf6.3・1600分の1秒・+0.3補正)・ISO2500・AWB・JPEG(撮影/宇佐見健)

 ソニーフルサイズミラーレス一眼の高速連写モデルα9 IIが11月1日に発売された。11月号でも報じたとおり、センサーと映像エンジンは初代α9と共通。外装と一部操作系レイアウトや部材、シャッターユニットはα7R IVに寄せたリニューアルが施され、防塵・防滴も強化された。

【トラッキングAFはピンポイントのAFフレームに被写体を捉え続けるのが困難なシーンでも強い味方。作例はこちら!】

 メカシャッターで約10コマ/秒の連写が可能になり、メモリーカードスロットは二つともUHS-II対応の高速タイプに変更されている。フリッカーへの対応や無線/有線LAN通信の高速化、ボディー内5軸手ブレ補正もα9より補正効果を0.5段向上して5.5段分とするなどスペックアップしている。

 これらはスポーツ・報道のプロカメラマンからの要望を反映したもので、今年新発売されたEマウントの超望遠レンズ群を見ても、来年の東京五輪をはじめ、この分野でのシェア獲得への意気込みが感じられる。通信機能も向上している。タイムリーな画像配信が求められる通信社系の機材としては不可欠なのだ。

 一方、9月24日には継続販売されるα9用に新ファームウェアが公開され、“リアルタイム瞳AFの動物対応”や“インターバル撮影機能”のほかいくつかの機能が追加され、α9 IIと静止画時のAF機能は同等になった。電子シャッターによる最高約20コマ/秒の連続撮影性能については互角で、基本的に撮れる写真に画質の差はないことになるが、α9は若干販売価格が下がり入手しやすい。

 α9 IIに搭載されたリアルタイムトラッキングと名づけられたAIを使った被写体認識追尾AFはまず今年2月に発売されたα6400で搭載され、α9は3月のファームウェアのアップデートで対応。その後に発売されたα7R IVやα6100/6600でも搭載されている。α9 IIでも、機能としてはα9と変わらないが、ボタンの形状などの変更により確実に使いやすくなっている。

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被写体を認識して追尾するリアルタイムトラッキングの活用!