ワニ、トキコウ、ダイサギ 北パンタナール(ブラジル)■オリンパスOM‐D E‐M1 MarkII・M.ズイコーデジタル ED 300ミリF4.0 IS PRO・ISO400・絞り開放・2000分の1秒
ワニ、トキコウ、ダイサギ 北パンタナール(ブラジル)■オリンパスOM‐D E‐M1 MarkII・M.ズイコーデジタル ED 300ミリF4.0 IS PRO・ISO400・絞り開放・2000分の1秒

 パンタナールでは、乾期になると水場の水位が下がるため、魚は水のある場所へどんどん移動していく。その結果、狭い水場に魚が集まることになり、ワニや鳥にとっては「入れ食い状態」になる。

 この一枚を撮ったのはちょうど夜明け前。水場には魚が豊富にいたようで、ワニも鳥たちも無我夢中になって魚にむさぼりついていた。動物たちは今食べなくては!という「旬」を自然に察知するのだろう。

 しかし、こんな供宴も長くは続かない。日が昇って30分もすると、みんなこの場から消え去ってしまった。翌日も同じ時間、同じ場所へ行ってみたが、動物たちの姿はほとんど見られなかった。もう魚が食べ尽くされてしまったのだろう。

写真・文=岩合光昭

※『アサヒカメラ』2019年11月号より

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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