風景写真家が選ぶ 全国のフォトジェニックな「渓流」と「滝」 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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風景写真家が選ぶ 全国のフォトジェニックな「渓流」と「滝」

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星野佑佳dot.#アサヒカメラ
 初夏はカメラ片手に、風景を撮影するには最適の季節。7月の三連休にも足を延ばしたくなる、美しい水景色が撮れる全国の「渓流」と「滝」の撮影スポットを写真家の星野佑佳さんが厳選してくれた。なお、「アサヒカメラ7月号」では北海道から九州まで全国15の撮影スポットを地図付きで紹介しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

※深澤 武「夏の光をいかして 夏の海を撮る

【写真】秋田県にある全国でも珍しい大規模な伏流水

有名な奥入瀬渓流。撮影ポイントはたくさんある

有名な奥入瀬渓流。撮影ポイントはたくさんある

■01 奥入瀬渓流(青森県十和田市)

 渓流の代名詞ともいえる奥入瀬渓流は、流れに沿って歩道と車道が整備され、高低差を生かすことで目線と同じ高さで流れる川を気軽に散策、撮影できることが魅力。全長約14キロの遊歩道は、歩くだけでも5時間ほどかかるので、私は観光客が少ない早朝に車で訪れ、お気に入りのポイントに絞り、さっと撮ることが多い。

 渓流沿いは駐車スペースが少なく、早朝でも撮影ポイント付近の駐車スペースはカメラマンの車でいっぱいのことも多い。そんなときは無理せず、石ケ戸休憩所に駐車する。緑あふれる川の流れを撮るなら、石ケ戸に近い「石ケ戸の瀬」「三乱の流れ」、少し離れるが「阿修羅の流れ」もおすすめ。奥入瀬まで来たら、近くの撮影名所、蔦沼なども立ち寄りたい。

【アクセス】八戸自動車道経由で第二みちのく有料道路下田百石ICを下り国道45、102号を十和田湖方面へ 【問い合わせ】十和田市観光協会
元滝伏流水。しっとりと苔むした岩から湧き出る水の景観が魅力

元滝伏流水。しっとりと苔むした岩から湧き出る水の景観が魅力

■02 元滝伏流水(秋田県にかほ市)

 鳥海山に降った雨や雪が地面にしみ込み、一日5万トン以上もの水が湧きだすという元滝伏流水。これだけ大規模な伏流水は全国でも珍しい。アクセスも便利で、トイレのある整備された駐車場から平坦な遊歩道を歩いて約10分で撮影ポイントに到着する。

 代表的な景観である高さ5メートル、横幅30メートルの岩場から流れ落ちる滝のほか、上流側に目をやると大きな石がゴロゴロとあり、緑の木々やシダの生い茂る森と大小の苔むした岩の間を伏流水が流れてくる景観が広がっている。伏流水なので、雨が少ないときでも、豊かな水量の流れとしっとり苔むした岩肌を撮れるのもうれしい。

【アクセス】日本海東北自動車道象潟ICを下り、鳥海ブルーラインで約15分。駐車場から徒歩約10分 【問い合わせ】にかほ市観光協会
大雨の後にだけ出現する、おしらじの滝

大雨の後にだけ出現する、おしらじの滝

■03 おしらじの滝(栃木県矢板市)
 
 エメラルドブルーの滝つぼと苔むした大岩が魅力的な「おしらじの滝」は、大雨の後にだけ出現する繊細な幻の滝(滝つぼが枯れることはないらしい)。広角レンズで水際まで近づくと、神秘的な光景を迫力のある姿でとらえられる。

 山の駅たかはらから那須塩原方面へ約2キロ、車で5分ほどの駐車帯に車を止め、やや整備された山道を7分ほど歩くと滝に到着。矢板市観光協会のホームページに案内図と写真が掲載されているので、参考にするといい。山の駅たかはらでも滝の状況や場所を教えてもらえる。以前は知る人ぞ知る滝だったが、現在は大勢の人が訪れるようになった。付近のスッカン沢もあわせて写したい。

【アクセス】東北自動車道西那須野塩原ICを下り、国道400号、県道56号を走る。山の駅たかはらの手前約2キロ 【問い合わせ】矢板市観光協会
円原川。水量が豊富で気温差の大きな夏は光芒を撮影するチャンス

円原川。水量が豊富で気温差の大きな夏は光芒を撮影するチャンス

■04 円原川(岐阜県山県市)

 光芒で大人気の円原川。今回紹介する撮影スポットのなかで、いちばんカメラマンで混み合う場所かもしれない。お互い邪魔にならないよう気を配りたい。伏流水が湧き出る円原川は7月から9月は水量が豊富で、蒸し暑く晴れた朝には川霧が多く発生するため、光芒を撮影するチャンス。雨量による水量の増減が大きく、渇水になると光芒は出づらくなる。ウェダースーツ着用がおすすめだが、水量が多いときは川に入ると危険。

 撮影ポイントは川沿いの広い範囲にわたるが、いちばんメジャーなのは、「水くみ場」の少し先。急斜面の土手を下りられる場所がいくつかある。付近には車5台分ほどの駐車帯がある。ほかは路上駐車となるため、交通の邪魔にならないよう気をつけたい。ヒルが生息しているため服装に注意。携帯は圏外のことが多い。トイレはない。

【アクセス】東海環状自動車道関広見ICを下り、国道418号を経由して県道200号を北山交流センターで右折 【問い合わせ】山県市役所まちづくり・企業支援課内山県市観光協会事務局
猿壺の滝。シワガラの滝に近いが、二つの滝の印象はまったく違う

猿壺の滝。シワガラの滝に近いが、二つの滝の印象はまったく違う

■05 猿壺の滝(兵庫県新温泉町)

 国道9号沿いの「おもしろ昆虫化石館」付近を上山高原方向へ曲がり、県道262、103号を直進。その先の県道408号に入ったところを右折し、林道をずっと上っていく。滝への遊歩道入り口は道路脇の左に小さな木の案内板があるだけなので見落とし注意。駐車スペースは少し進んだところにある。滝へは徒歩約10分。

 晴れて川霧がたつ朝は光芒もねらえるので、滝の前を横切って滝の側面、右側に渡ろう。水深は浅いので長靴で十分。滝の裏側にも行けるが、ほかのカメラマンの邪魔になりかねないので、光芒の時間帯は避けたい。自然災害で土日祝日以外は通行止めの可能性もあるため要確認。足に自信のある人なら、車で30分ほどのシワガラの滝もおすすめ。

【アクセス】北近畿豊岡自動車道八鹿氷ノ山ICを下り、国道9号から県道262、103、408号へ。扇ノ山方面へ右折 【問い合わせ】上山高原エコミュージアム
菊池渓谷は有名な渓流の撮影地。ピーク時はとても混雑する

菊池渓谷は有名な渓流の撮影地。ピーク時はとても混雑する

■06 菊池渓谷(熊本県菊池市)

 日本一有名な「光芒渓流」の菊池渓谷。夏の早朝はカメラマン、日中は観光客でにぎわう。日の出時の光芒の撮影ポイント「広河原」までは入り口ゲートから約1キロ、徒歩約30分。ここで最初の光芒を写した後、昇る太陽の動きに合わせて徐々に下流へと移動する。

 川霧に対する光線の角度を保ちながら光芒撮影を続行。広河原の場所取りは激烈で、暗い時間から向かう人も少なくない。私は歩きやすさを優先して長靴で行くが、真夏の混雑期は撮影場所を確保するために浅瀬を渡れるほうが有利なのでウェダースーツの着用も一考の余地あり。ただし水の流れは速く、深い場所もあるため、要注意。暗い時間帯は川に入ると危険。

【アクセス】菊池市街から国道387号を経由して県道45号、菊池阿蘇スカイラインへ。駐車場まで約5キロ 【問い合わせ】菊池観光協会
白谷雲水峡。苔むした沢だが、大水が出ると景色が一変する

白谷雲水峡。苔むした沢だが、大水が出ると景色が一変する

■07 白谷雲水峡(鹿児島県屋久島町)
 
 屋久島ならではのみずみずしい苔やうっそうとした原生林の魅力を、比較的楽に満喫できるのが白谷雲水峡。体力や時間に合わせていくつかの周遊コースがあり、入り口(森林環境整備推進協力金500円が必要)でマップをもらえる。分岐点には案内板があり、方向音痴の私でも迷う心配はなかった。

 この写真の沢は、片道2時間の太鼓岩ルートの途中、「くぐり杉」の手前にある。普段は登山靴でも沢を渡れるが、雨で増水すると渡れなくなるので要確認。この沢まで来たら、映画「もののけ姫」の森の参考にしたといわれる「苔むす森」(入り口から往復2時間半)まで足をのばしたい。トイレは白谷小屋(くぐり杉と苔むす森の間)にあるが、なるべく駐車場ですませておこう。

【アクセス】飛行機かフェリーで屋久島へ。宮之浦からバスで約30分。車の場合は県道594号を進み約20分 【問い合わせ】屋久島観光協会

写真と文=星野佑佳

※アサヒカメラ2019年7月号から抜粋


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