第70回産経児童出版文化賞の贈賞式で言葉を述べる秋篠宮家の次女・佳子さま=6月6日、東京・明治記念館
第70回産経児童出版文化賞の贈賞式で言葉を述べる秋篠宮家の次女・佳子さま=6月6日、東京・明治記念館
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 秋篠宮家の次女・佳子さまが、30億円をかけて増改築した秋篠宮邸に引っ越さず、元の住まいに一人で暮らしていると、宮内庁が6月30日に明らかにした。これまで、佳子さまが引っ越しをしたかどうか、明らかにしてこなかった宮内庁。そして記者会見で「経費削減が目的」と説明したものの、どれだけの削減になったのかも示さなかった。お粗末な対応の背景には、人事異動のうわさも流れておりーー。

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「あの矛盾だらけの説明で国民が納得すると、宮内庁は本気で考えているのでしょうか。国民をバカにしているのかと言いたくなる。一番の問題は、あの矛盾だらけの説明でも、佳子さまの『ひとり暮らし』を宮内庁が公式に認めた形になることです」

 そう怒りをあらわにするのは、皇室制度を研究する静岡福祉大の小田部雄次・名誉教授(日本近現代史)だ。

 皇太子家に準ずる皇嗣家となった秋篠宮家。宮邸で賓客を接遇する機会も増えることから、30億円をかけて秋篠宮邸を増改築工事することになった。

 しかし、この日の会見で加地隆治・皇嗣職大夫が公表したのは、「増改築工事にあたり、もともと秋篠宮邸に佳子さまの私室は造られていなかった」という事実だった。

 工事にあたり、秋篠宮ご一家は、9億8千万円をかけて新築した「御仮寓所(ごかぐうしょ)」に2019年2月から仮住まいしていた。

 しかし、結婚前の小室眞子さんを含めたご一家で話し合った結果、5人分の私室を造ると予算が増えると判断。経費を削減する目的で、眞子さんと佳子さまの私室は造らず、仮住まいだった「御仮寓所」に住み続けるよう計画を変更したという。

■自ら反発を招いている

 秋篠宮ご夫妻と悠仁さまが新宮邸に引っ越したいま、「御仮寓所」は、現在は「旧御仮寓所」もしくは「分室」と呼ばれている。

 鉄筋コンクリート造りの3階建てで、延べ床面積は約1378平方メートル。居間や食堂のほか、応接室や執務室、職員の事務室などがある。皇嗣職職員の一部が事務室として使うほか、佳子さまが私室部分に住んでいる。

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「私的な事柄」との主張