尿酸を減らす働きがある食材やサプリメントもありますが、取材をした3医師の見解は同様でした。厳しい検査で効果が認められた薬とは異なるため、減るのはごく微量だったり、個人差があったり、エビデンス(科学的根拠)が不十分だったりします。尿酸値がまだ高くない人が予防的に試す、あるいはあくまで補助的に取り入れるにとどめるのが賢明ではないでしょうか。

 すでに痛風発作を経験している、生活習慣病の合併症がある、尿酸値を下げる薬が必要なレベルまで進行している場合は、医師の指導の下での治療が大前提です。漢方薬については、「痛風の痛みに対して効くものはありますが、尿酸値を下げる効果はないと考えられています」と久留医師は話します。

 口にすればたちどころに治る「魔法のアイテム」は、今のところまだ見つかっていないようです。予防や治療のために、いままで当たり前に楽しんできたことを我慢するのはつらいこと。だからといってからだを壊してしまったら、その後の人生、おいしいごはんとお酒の楽しみがとても小さくなってしまうかもしれません。自分はどちらを大切にしたいのか、じっくり考える際に、この記事が役に立ったら幸いです。

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(取材・文/アエラムック医療班)

【取材した医師】
両国東口クリニック 理事長 大山博司 医師
山王メディカルセンター 院長 山中 寿 医師
国立病院機構米子医療センター 院長 久留一郎 医師 

大山博司(おおやま・ひろし)医師 両国東口クリニック 理事長
大山博司(おおやま・ひろし)医師 両国東口クリニック 理事長
山中 寿(やまなか・ひさし)医師 山王メディカルセンター 院長
山中 寿(やまなか・ひさし)医師 山王メディカルセンター 院長
久留一郎(ひさとめ・いちろう)医師 国立病院機構米子医療センター 院長
久留一郎(ひさとめ・いちろう)医師 国立病院機構米子医療センター 院長