LGBTQへの理解や、古い家父長制の概念から脱却する――。多様性を受け入れて生活することが当たり前の時代になってきても、「染み付いた価値観がアップデートできない」ことに気づかされたり、子どもにどう伝えたらいいのか悩んだり。「生きづらさを抱えている人への理解が先?」「自分らしさや幸せを考えるときに気をつけることって?」昔の価値観をアップデートして、上手に多様性を伝えたいと思っているコミックエッセイストtomekkoさんは、小5から年長までの3兄弟と、一緒に考えるきっかけを模索しています。持っていたい多様性の考え方とは――。tomekkoさんが夫婦の試行錯誤を綴ります。

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 先日、昨年から家族になった豆柴の去勢手術をしました。

 普段から大事なものだと教えられているタマタマを取ってしまうと聞いて震えあがる人間の3兄弟。かわいそうという子どもたちに去勢のメリット・デメリットをひと通り話したのちに、ふと夫婦だけになって、

「できるだけ言葉に気をつけたつもりだけど、ひと昔前だったらこういうときに平気で『オカマちゃんになったんだよー』なんて言ってしまっていたかもしれないね」

「うーん、子どもたちへの伝え方、難しいな。でもある意味性教育の入りとしてはマイルドでいいのかもしれない……」

 と小声で反省会をしました。

 LGBTQへの理解や、古い家父長制の概念から脱却し多様性を受け入れられる社会へ。

 昨今の流れに、自分たちもそれなりに意識をもって世の流れについていこうとしているんですが、やはりところどころ染み付いた価値観がアップデートできないところに気づかされることがあって油断できませんな。

 一方で、今の若者やわが子たちが大人になったときに生きやすい社会になるよう、新しい価値観を理解しようとしすぎて、大切に守ってもいいものを無理にかなぐり捨ててはいないかと違和感を覚えることもあります。

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tomekko
コミックエッセイスト tomekko

小6、小2、年中の男子3兄弟に夫とほぼ男子校な日々を送っているポンコツ母さん。『AERA with Kids』の「脱・カンペキ親修行」では、鋭い観察眼で子育てや家族、夫婦、教育などについて連載中。Instagramでは13万以上のフォロワーに日々育児絵日記を投稿。インスタアカウント @tomekomet

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