西武からFAでオリックスに移籍した森友哉
西武からFAでオリックスに移籍した森友哉

 いよいよキャンプインまで10日を切った今年のプロ野球。新外国人選手やトレードなどまだここから動く球団が出てくる可能性もあるが、シーズン前の補強はひと段落した印象を受ける。

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 そこで今シーズンに向けての各球団の現時点での補強について診断してみたいと思う。なお、ルーキーに関しては今年一軍の戦力になる可能性が高い選手のみをピックアップした。また診断はA、B、C、Dの四段階評価で、あくまでもこのオフに加入した選手が今年一軍戦力になるかという点を評価基準とし、退団した選手の影響も加味して評価した。今回はパ・リーグ編だ。

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■オリックス:C

【主な新戦力】
コットン(新外国人・投手)
ニックス(新外国人・投手)
小野泰己(阪神を自由契約・投手・育成)
曽谷龍平(ドラフト1位・投手)
森友哉(FA・捕手)
石川亮(トレード・捕手)
シュウィンデル(新外国人・内野手)
セデーニョ(新外国人・内野手・育成)
上野響平(日本ハムを自由契約・内野手・育成)
ゴンザレス(新外国人・内野手兼外野手)
渡邉大樹(現役ドラフト・外野手)
杉澤龍(ドラフト4位・外野手)

 大きなマイナスはやはり主砲の吉田正尚のメジャー移籍だ。確実性と長打力を備えたリーグを代表する主砲の穴を埋めるのは簡単ではないだろう。ただ一方で球界でもトップの打てる捕手である森友哉をFAで獲得できたのは大きい。昨年は故障もあって少し成績を落としたが、まだまだ若く、怪我さえなければ打率3割、20本塁打は十分に期待できるだろう。新外国人は23日時点での正式発表は育成契約のセデーニョのみだが、報道されている他の4人もカウントした。特に期待が大きいのはメジャーでも実績のあるコットンとゴンザレスで、彼らの働きがリーグ3連覇を目指すうえで非常に重要になりそうだ。

 ドラフト1位の曽谷は球種の少なさもあって現時点で長いイニングを任せるのは不安だが、リリーフであれば1年目から戦力として期待できる。またドラフト4位の杉澤も大学球界屈指の外野手で、吉田が抜けた外野のレギュラー争いに加わる可能性は十分にありそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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