イスラエルで開かれた「フードテック」エクスポ(#FTIL22 | @The Kitchen Hub | @Strauss Group @NEWJI)
イスラエルで開かれた「フードテック」エクスポ(#FTIL22 | @The Kitchen Hub | @Strauss Group @NEWJI)

 家畜に頼らない、植物由来の食品開発が進むイスラエル。最新「フードテック」事情を現地からお伝えする。

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 イスラエルの商業都市、テルアビブで11月7日、国内フードテック企業が一堂に会する「Food Tech IL 2022」が開催されました。世界56カ国から2000人以上の来場者を迎え、コロナ後のエクスポは大盛況でした。また今年は初めて、日本とイスラエルの女性起業家ネットワーク“NEWJI”の企画で両国の外交関係樹立70周年を記念した、日本パビリオンが設置され、日本から6企業が参加しました。事前に行われた、両国の関係を記念して日本食材とイスラエルのフードテック食材を使用したメニューコンテストの優勝者への授与式も行われました。

「フードテック」という言葉、日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが、簡単にいえば “環境に配慮し、全ての人々が十分に栄養を補給でき、健康を維持することができるために開発されるフードテクノロジー”です。世界では、供給過多で廃棄される大量の食料がある一方、多くの地域で貧困や食料不足の問題を抱えています。また、家畜飼育の工業化によって引き起こされる環境汚染、砂糖過多による健康障害など、生活を持続するうえでも多くの課題を抱えています。フードテックはこれらを克服するためのテクノロジーなのです。

 近年、技術立国として頭角を現してきたイスラエルは、本来持っている医療技術の研究開発プラットフォームと生物学・生化学の知識を使って、食品産業にも取り組み始めました。特に多くの企業が取り組んでいるのは、家畜に頼らない食品の開発です。

 肉、魚介類、乳製品などを植物ベースで作った代替食品は、最近は多く出回り始め、「ベジ・バーガー」はイスラエルではすでに多くのハンバーガー店で普通にチョイスできるメニューになっています。またスーパーのビーガン食品コーナーも充実し始めました(イスラエルは人口の13%がビーガンです)。

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