Jリーグでは川崎でプレーした日本代表の三笘薫
Jリーグでは川崎でプレーした日本代表の三笘薫

 サッカー日本代表がワールドカップ(W杯)が開催されているカタールの地で躍動している。

【写真】「ケガがなければ…」日本代表の歴史を変えられた“未完の逸材”

 グループリーグでは第2戦のコスタリカには0対1で敗れたものの、初戦のドイツ戦に続き、第3戦でも世界屈指の強豪であるスペイン相手に2対1で逆転勝ち。2つの“ジャイアントキリング”を成し遂げ、2大会連続となる4度目の決勝トーナメント進出を果たした。

 前評判を覆し、勝ち上がれた要因となっているのは、海外のクラブでプレーする選手(26人中19人)が増え、技術やメンタルの面で強豪国に負けなくなった部分も大きいだろう。だが海外組の選手たちも、もれなくJリーグでプレーした経験を持つ国内で育ったプレイヤーでもあるのも事実である。

 特に今回のメンバーでは、ここ最近Jリーグで圧倒的な強さを見せている“川崎フロンターレ勢”が目立つ。コスタリカ戦で先発したDF山根視来、スペイン戦で先発したDF谷口彰悟の2人は今シーズンもプレー。海外組でもGKの川島永嗣(ストラスブール)、DFの板倉滉(ボルシアMG)、MFの三笘薫(ブライトン)、守田英正(スポルティング)、田中碧(デュッセルドルフ)は過去に在籍した選手だ。

 他にも川崎では出場こそなかったものの、シュミット・ダニエル(シントトロイデン)は大学時代に特別指定選手として登録され、久保建英(レアル・ソシエダ)は同チームの下部組織でプレーするなど、今や代表への立派な“供給源”となっている。

 板倉、田中などユースからトップチームに昇格した選手に加え、大卒の選手など、様々なバックグラウンドを持つ選手を“代表クラス”に育てることができる理由はどこにあるのだろうか……。

「育成組織の充実度は日本トップクラス。アカデミーに入ると一番下U-10の小学3年生から基本技術を磨くのはもちろん、自らの長所を探して生かす方法を考える。また実戦を重ねて経験値を上げることを重視。試合出場を求め、高校、大学で1度チームを離れた後、戻ってくる選手も多い。選手を育てるという目的に向けての方法がしっかりしている」(サッカー専門誌ライター)

 板倉はU-18キャプテンとしてリーダーシップを発揮。三笘は下部のカテゴリー時代から卓越したドリブルの技術を披露。田中は「背番号10」を任され将来のエースとして期待されていた。まさに川崎のアカデミーが生み出した成功例たちだ。

次のページ
川崎は今後も日本を代表するクラブに?