三笘薫(森田直樹/アフロスポーツ)
三笘薫(森田直樹/アフロスポーツ)

「ミトマは凄い。彼はスーパースターになれる」

【写真】W杯をアツくする! 世界各国のサポーターたち

 W杯が開催されているカタールで取材するサッカー雑誌の編集者は、自己紹介で外国のジャーナリストに日本人であることを伝えると、三笘薫を絶賛される機会が非常に多いと話す。

「このW杯で市場価値が一気に上がった選手の1人です。分かっていても止められないドリブルに加え、視野が広くパスの精度も高い。『プレーの次元が違う』と欧州のジャーナリストの間でも話題になっています。W杯終了後の冬のマーケットで、現在所属している英国プレミアリーグのブライトンからビッグクラブに移籍する可能性が十分にあります」

 2-1の逆転勝利で大金星を挙げた今月23日のグループステージ第1戦のドイツ戦。1点を追いかける後半12分から左ウイングバックで投入されると、左サイドで2人を引きつけ、南野拓実へ絶妙なスルーパス。堂安律の同点弾を呼び込んだ。ドリブルで相手を切り裂く武器を相手も当然、警戒している。縦を切られても手詰まりにならず、味方を生かして好機を演出できるのが大きな強みだ。

 27日のコスタリカ戦では後半17分から投入されると、相手の厳しいマークをかいくぐって、決定機を再三作った。後半43分に左サイドでボールを受けると、緩急をつけたドリブルで相手を抜いて相手陣内深くまで侵入。ゴール前に折り返したが、鎌田大地のシュートが外れた。アディショナルタイムにも、2人のDFを振り切ってペナルティーエリアに侵入。ABEMAで解説を務めた元日本代表の本田圭佑は「三笘さん凄いね、センタリング上げるかと思ったらあそこまでえぐった」と絶賛。「もう左から行くしかないね」と三笘にボールを集めるように訴えていた。

 相手の守備陣が分かっていても止められない。その攻撃能力は日本代表の中でも群を抜いている。「戦術・三笘」とも形容されるが、森保ジャパンでは試合途中で勝負を決めるジョーカーとして投入される役割が多い。3月24日にW杯アジア最終予選のオーストラリア代表とアウェーで対戦した際も、0-0の後半39分から出場。短い時間で2ゴールを挙げ、カタールW杯出場を決める救世主となった。

次のページ