定期的に続けることで調子のいい状態を維持できると話題のサウナ。新たな習慣として取り入れたいが忙しくて行けない……。ビジネスパーソンにとっては、時間や金銭面の工面など、ハードルも多いだろう。サウナの健康効果を研究する現役医師に、忙しい毎日でも週2回のサウナを実現し、ビジネスのパフォーマンスを最大化するコツを聞いた。
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「サウナを習慣化することで、自律神経が鍛えられ、睡眠の質の向上も期待できます」
そう語るのは、日本サウナ学会代表理事を務める「サウナドクター」、加藤容崇医師だ。予防医療としてサウナを研究し、自らのからだで日々、サウナの健康効果を実験している。多忙なビジネスパーソンこそ、サウナによって業務効率アップが狙えるという。
「自律神経が整うと、からだの負担を自動的に調整してくれるので、体力がつき、体調も安定します。脳疲労がとれ、頭もすっきりする。発想力や集中力なども高まり、ビジネスのパフォーマンスがアップします」
ちなみに「サウナ」とは、サウナ室でからだを温めて汗をかくだけでなく、水風呂、休憩(外気浴)を1セットとする一連の「サウナ浴」のことを指す。
「サウナに入って、深部体温が38度以上になると、ヒートショックプロテインという物質が出て、組織修復作用が働くほか、隅々の毛細血管にまで血流が循環します。水風呂と休憩を挟みながら、それらを繰り返すことで、血流がアップし、自律神経の働きが改善されます」
■まずは週2回のサウナを習慣に
「調子がいい」状態を維持するには、いったいどのくらいの頻度でサウナに入ったらいいのだろうか。毎日のサウナ浴で自らの自律神経の状態を測定しているという加藤医師は、どのくらいインターバルを空けたら自律神経の数値が低下するかも実験している。それによると、4日目ぐらいで下がってきたという。つまり、ベストな体調を維持するには少なくとも週2回はサウナに入る計算だ。
「健康維持には週2~3回くらいの入浴頻度がいいと思います。もちろん、生活や仕事のハードさ、ストレスの度合い、体質によっても異なります。ストレス度が高めな場合は毎日入ってもいいでしょう」