宮内庁提供
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 女性皇族で注目される事柄の一つといえば、髪形の変化だろう。愛子さまがボブヘアにしたときも「イメージチェンジ」と話題になった。一方で、ヘアスタイルに変化がない場合は世間に注目されにくいが、変わらないことの意味とは? 紀子さまについて、コラムニストの矢部万紀子さんが考察した。

【当時の写真】愛くるしく清楚な「紀子ちゃん」時代のロングヘア

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 佳子さまはこの夏、髪を切った。腰に届きそうだったのが、7月の「全国都市緑化祭」では肩と同じほどの長さに。これはショートヘアへの道?

 上皇さまの孫は4人いるが、うち3人の女性(小室眞子さん、佳子さま、愛子さま)はみなロングヘアだ。愛子さまはボブにしたこともあったが、すぐに元のロングになった。ショートヘアは女性らしさに欠けるという“自主規制”が働いているのかもしれず、打ち破るとしたら率直に自分の思いを語る佳子さまでは? そう勝手に期待。

 が、ある日、突然気づいた。それを言うなら紀子さまは、ずっとショートヘアではないか、と。

 9月11日、紀子さまが56歳の誕生日を迎えた。その日に公表された宮内記者会への質問に答える文書には、眞子さんについてこうあった。

<庭の花の世話をしながら、木香薔薇のアーチを作り、いつか娘と一緒にゆっくり庭を歩くことができましたら、と思っております>

 木香薔薇は眞子さんが皇族だったときの「お印」で、紀子さまはアーチを作るための手入れをしている、と報じられていた。「納采の儀」も「一時金」もなく旅立っていった眞子さん。親心と薔薇が重なり、読んでいて切ない。

 だが、合わせて公開された写真は、1年前のそれより表情が柔らかくなったようだった。アーモンド形の目、柔らかなほほ笑み。少しは気持ちが軽くなったのだろうか、醸し出される雰囲気がふんわりとしている。1989年の婚約内定後の記者会見を思い出した。「秋篠宮さまが初恋の人ですか」と聞かれ、「そうでございます」と恥ずかしそうに答えていた川嶋紀子さん。あのとき紀子さんは、たっぷりと長い髪の毛を紺のバレッタで留めていた。そうだ、紀子さまといえばロングヘアだった。忘れていたのは、現在の髪形がすっかり定着しているからだろう。ずーっとあの髪形なのだ。そう、分け目は右側で、前髪はつくらず、耳にかける。それが紀子さまスタイルだ。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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愛くるしく清楚な「紀子ちゃん」はロングヘアだった