プレミアリーグのトッテナムでプレーする韓国代表のソン・フンミン(ロイター/アフロ)
プレミアリーグのトッテナムでプレーする韓国代表のソン・フンミン(ロイター/アフロ)

 2022年11月20日開幕(決勝は12月18日)となったサッカーW杯カタール大会。アジア勢は6カ国(カタール、イラン、サウジアラビア、オーストラリア、日本、韓国)が出場する。

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 だが、英国最大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」社が6月に発表した優勝オッズでは、日本、韓国、カタールが251倍、オーストラリアが401倍、サウジアラビアとイランが501倍となり、下位10カ国中6カ国がアジア勢。決勝トーナメントの進出オッズを見ても唯一、E組の日本が単独3番人気で、それ以外はグループ内ワーストの評価(オーストラリアと韓国は3番人気タイ)。とどのつまり、アジア勢は今回のW杯カタール大会において完全なアウトサイダーと見なされているのだ。

 今回だけではない。アジア勢に対する「期待値」の低さは、過去の実績から紐づけられたものでもある。出場32カ国制となって日本がW杯初出場を果たした1998年フランス大会以降の6大会で、アジア勢が決勝トーナメントに進出したのは延べ25チーム中5チーム(日本3回、韓国2回)のみ。その5チームも、2002年日韓大会で韓国が疑惑の判定も含めたホームアドバンテージを得て4位となった以外は、いずれも決勝トーナメント初戦で敗退(ベスト16)している。

 そして前々回の2014年のブラジル大会では、アジアの4カ国(日本、韓国、オーストラリア、イラン)が1勝も挙げられず。前回2018年ロシア大会では唯一、日本がベスト16入りは果たしたが、その他の4チーム(韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビア)はグループリーグ敗退。過去6大会のアジア勢の通算成績は83試合で15勝18分50敗と、常に“厳しい”戦いを強いられてきた。

 迎えるカタール大会。果たして、アジア勢の躍進はあるのか。日本以外のチームの戦力を考えると、やはり韓国に期待したいところだ。頼れるエースFWソン・フンミン(トッテナム)は昨季、サラー(リバプール)と並ぶ23得点を挙げてアジア人史上初となるプレミアリーグ得点王を獲得。左右両足から放たれる強烈かつ正確なシュートは世界トップレベルで、たった一人でカウンターを完結させるスピード、突破力を持つ。

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韓国以外で期待できる国は?