世界平和統一家庭連合 大阪家庭教会
世界平和統一家庭連合 大阪家庭教会
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と、政治や行政との関係が取り沙汰されているが、大阪市が所有していた施設を旧統一教会が“ダミー会社”を通じて2011年に買い取り、拠点施設にしていた。当時、市議会などでも指摘されていたが、市は「当時は問題なかった」としている。

【写真】最上階はドーム形のしゃれた造りに

 日本一の高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)から地下鉄で1駅。幹線道路から路地を入ると、閑静な住宅街にれんが色を基調とした6階建ての建物が立っている。最上階はドーム形の豪華な造りだ。

 入り口には、大きな表札のような置物があり、「世界平和統一家庭連合 大阪家庭教会」という文字と、同施設のシンボルマークがついている。

 旧統一教会を20年近く信仰し、この建物に出入りしていたこともあるという元信者によれば、

「中は入り口に旧統一教会の創始者、文鮮明の大きな写真が飾られ、3階には立派な礼拝堂がありました。日曜日には信者が集い、祈りがささげられます。他の地域の教会は雑居ビルや民家というところもありますが、大阪家庭教会はすごく豪華です。渋谷(東京都)にある本部の次くらいに立派じゃないかと思います」

 とのこと。

 これだけの土地と建物を、旧統一教会はいつ、どうやって手に入れたのか。不動産登記を閲覧すると、興味深い内容が書かれていた。

 1996年に完成した建物は、地上6階、地下1階、延べ床面積は約3300平方メートル。そして、登記の冒頭には「公立学校用地」とある。この建物は、かつて大阪市教職員互助組合の「阪南パラドーム」という研修や福利厚生の施設だったのだ。

 50年以上、近所に住んでいるという男性は、

「(売却するという話が出た)当時、税金で作った学校の先生の施設を、『統一教会という怪しいところに売ったらアカン』と、反対の声が出ていた。署名も5千人以上集まり、『統一教会反対』などの看板を立てた住民もいたが、大阪市は聞く耳を持たなかった」

 と当時を振り返り、憤慨する。

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登記の役員欄に旧統一教会の信者、関係者が何人も