中日・立浪和義監督
中日・立浪和義監督

 中日・立浪和義監督の就任1年目はグラウンド内外で多くのことが起きている。チームの成績的には新人監督として壁にぶつかったようにも感じられ、シーズン序盤にはコーチ陣の配置転換を行ったことを含め、何かと球界を騒がせることも多い。

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 待望の“ミスタードラゴンズ”の監督就任にはオフから注目が集まった。大きな期待を背負って迎えたシーズンでは開幕から6試合で1勝5敗と出遅れたが、その後は4連勝を飾るなど若手の多いチームの“再建”が順調に進んでいるかのようにも見えた。しかし、5月には7連敗を喫し、6月も大きく負け越し。8月9日終了時点で最下位に沈んでいる。

「投手陣は球界屈指のメンツを揃えており、最下位にいるのが信じられない。大野雄大柳裕也という左右の2枚看板に加え、高橋宏斗など若手も出てきた。ブルペンでもR.マルティネスは現状のNPBナンバーワン抑え投手。打線とのバランスが悪くて勝てない状況が続き、投手陣の気持ちにも悪影響が出ている」(中日担当記者)

 昨年リーグワーストの405得点だったことから、オフには打線強化の必要性が叫ばれていた。しかし助っ人外国人は補強せず、他にも目立った動きはなかった。ドラフトではブライト健太、鵜飼航丞、福元悠真と大学生の強打者を3人指名したが、今のところ大きな戦力になっていない。高卒3年目の岡林勇希は何とか形になりつつあるが、主砲候補の石川昂弥は左膝を手術して今季は絶望となるなど、懸念していたとおり得点力が課題となり続けている。

 立浪監督の就任で「有望株が一気に伸びるのではないか」という期待が大きかったがゆえに失望の声も多い。しかし、立浪監督は今年が1年目であり、その部分で責任を問うのは酷でもある。

「打線は大島洋平が頑張っているが、それだけで得点力が上がるわけではない。ビシエドも年齢的に下り坂に差し掛かっているのに、補強をする気配すら感じられない。ビシエドがいる間に若手を育てようという判断かもしれないが、若い選手が使えるようになるには時間がかかりそう。編成面での判断ミスが感じられる」(在京球団編成担当)

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今はファンも“我慢”の時期か