――マスクの着用はどうでしょうか。

 運動中にマスクはしないほうがよいでしょう。マスクひとつで、熱中症を誘発するということではありませんが、呼吸がしにくくなるので、体に負荷をかけることにはなると思います。

――全身の倦怠感やめまい、吐き気などの熱中症の症状が長引いている時は、どのように対処したらいいでしょうか。

 水分と塩分を補給して、涼しいところで休息することです。大量の汗をかいて体内の塩分と水分が失われた状態なので、素早く体内に吸収されるイオン飲料や経口補水液を継続的に飲み、しっかり休みましょう。自力で水分補給できない場合は早めに医療機関を受診してください。呼びかけても反応をしないような意識障害があれば、すぐに救急車を呼びましょう。

――暑さを乗り越えた日の夜には、お酒を飲みたくなりますが、アルコールで水分補給するのはどうでしょうか。

 アルコールには利尿作用があるため、水分が体外に排出されてしまい、逆効果になります。美味しいかもしれませんが、大量に汗をかいた日は、体内に吸収されやすいイオン飲料などを飲んだ方がいいでしょう。

(聞き手/AERA dot.編集部 岩下明日香)