熱中症の症状が長引き「翌日」に影響が出る場合もある(gettyimages)
熱中症の症状が長引き「翌日」に影響が出る場合もある(gettyimages)

 梅雨は明けたものの、曇り空が続き、じめじめと蒸すような日が続いている。太陽がカンカン照りの暑い日に懸念される熱中症だが、気温だけでなく、湿度が高いところでも発症する恐れがあるので、油断できない。暑い日に短時間で発症する熱中症だが、なかには翌日など時間が経過してから、倦怠感やめまいなどの症状に気が付くことがある。こうした翌日に響く熱中症について、あいち小児保健医療総合センターの伊藤友弥医師(救急科)に聞いた。

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――暑い日ではなく、その翌日になってから、めまいや吐き気など熱中症の症状が出ることもあるのでしょうか。

 「翌日」に限らず、時間が経過してからも、脱水の症状が長引くことはあるとされています。暑い日には症状がなかったのに、時間が経ってから急に症状が出るということではなく、暑い場所にいた時から、体内の水分と塩分が失われたままだから、熱中症の症状が長引いている状態です。

――翌日に症状が出ることを「翌日熱中症」と呼んでいることもあるようですが。 

「翌日熱中症」は医学用語ではなく、病名や診断基準があるわけでもありません。ただ、先に説明したとおり、時間が経過しても脱水のような症状が続くことはありえます。

――どんなシーンに気を付けた方がいいでしょうか。

 例えば、炎天下の外で、スポーツなどのアクティビティーをしている時は、熱中症予防のため、水分補給をして気をつけていると思います。しかし、アクティビティーを終えた後から、水分を取らなくなってしまうと、脱水につながります。そのため、大量に汗をかいた日は、アクティビティーの後も継続的に水分を補給することを心がけてください。

体育館の中でも熱中症は起きる

――炎天下の日だけでなく、湿度が高い日も警戒した方がよいのでしょうか。

 気温はそれほど高くなくても、湿度が高ければ、熱中症になることがあります。体は、汗をかいて、体温を一定の温度に保ちます。しかし、湿度が高い場所で運動をすると、汗が気化しにくくなり、皮膚から熱が逃げにくくなってしまうため、体温を下げることが難しくなります。体育館の中でも熱中症は起きるため、湿度が高くなる場所で運動する時も気をつけてください。

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症状が長引いている時の対処は?