美智子さまの装いにも強い関心を持っている。 

「私が見る限り、ここ2年半の雅子さまの装いは白系の色味が中心でたまに青系統といったサイクルで、落ち着いています。一方で、美智子さまは引退後も、目立たぬよう控え目ながら細かいところまで気を配る装いで拝見するのが楽しみなのです」

 美智子さまは、1959年に民間出身の初の皇太子妃となった。戦争の傷あとから日本が立ち直り復興を遂げるなかで、美智子さまの気品あるスタイルは日本女性が洋装を積極的に取り入れる後押しとなった。米国のファッション業界の投票による「ベストドレッサー賞」にも選ばれている。

 品のある着こなしは健在だ。21年6月、皇居に入る美智子さまの横顔を写した一枚の写真がある。メガネを耳にかける「リム」部分の上品な深い青とお召しの明るいブルーの服との調和が美しい。

 気品がありながら、年齢を重ねてもどこかチャーミングな魅力を持つのが美智子さまだ。22年1月に、そんな美智子さまらしさをとらえた。上皇さまと美智子さまが、皇居の乾門から出た際に撮影したのだという。

 外気は5度の寒さ、おっかけの皇室ファンはブルブル震えながら待ち時間を過ごした。乾門から出たおふたり。美智子さまは、耳当てをして寒さ対策をしていた。

 寒い地方取材や海外などでは、その土地にあった装いをすることはあるが、都内や公務ではなかなか見ることのない小物使いである。なんともお似合いで珍しい。

 21年10月、眞子さんと小室さんの結婚から3日ほど経たタイミングで、上皇さまと美智子さまの様子をカメラに収めたこともあった。

「普段とお変わりないご様子でしたが、胸の内ではずっと大変でおられたのではと思います。それでも沿道で元気いっぱいにお見送りする園児に、上皇さまは手を振り、美智子さまは窓の縁に手をかけてほほ笑むご様子にホッとしました」

2022年1月皇居の乾門から出てきたおふたり。5度の寒さで美智子さまは、耳当てをつけている(撮影/阿部満幹さん)
2022年1月皇居の乾門から出てきたおふたり。5度の寒さで美智子さまは、耳当てをつけている(撮影/阿部満幹さん)
2022年1月 乾門から出るおふたり。美智子さまは上着と同色の耳あてがお似合い(撮影/阿部満幹さん)
2022年1月 乾門から出るおふたり。美智子さまは上着と同色の耳あてがお似合い(撮影/阿部満幹さん)
2021年10月、眞子さんと小室さんの結婚から3日ほど経た日の外出。皇居から仙洞仮御所に戻る上皇ご夫妻。 沿道で園児がお見送りしており、美智子さまは手を窓にかけてほほ笑んでいる(撮影/阿部満幹さん)
2021年10月、眞子さんと小室さんの結婚から3日ほど経た日の外出。皇居から仙洞仮御所に戻る上皇ご夫妻。 沿道で園児がお見送りしており、美智子さまは手を窓にかけてほほ笑んでいる(撮影/阿部満幹さん)

 阿部さんは男性ながら大学生らしく、美智子さまのファッションの変化も敏感だ。

 「皇后でいらしたときは、頭頂部から後頭部にかけてボリュームをつけた髪型をなさっていました。しかし、令和に入ってからはシンプルに髪をまとめることが増えて雰囲気をすこし変えられたな、と感じます」

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カジュアルなボーダーとジャケットの装い