活躍が期待されるシカゴ・カブスの鈴木誠也(写真/gettyimages)
活躍が期待されるシカゴ・カブスの鈴木誠也(写真/gettyimages)

 米の球春到来まであとわずかだ。昨年12月2日(現地時間:以下同)から今年3月10日までロックアアウトが続いていたが、新労使協定が合意に達してから今日まで、MLBでは驚くべきスピードで物事が進んだ。当初の予定から1週間の遅れは生じたものの、4月7日の開幕に向けて球団や選手が一丸となり急ピッチで準備を進めている。

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 春季キャンプが行われている米アリゾナ州とフロリダ州ではオープン戦の真っ最中だ。現地では連日、各チームの主力がシーズンに向けて調整を行っている。そしてMLBでプレーする日本人選手たちもまた、オープン戦で今季に向けたアピールを続けている。とはいえ、調整期間は例年に比べ短く、十分な時間とは言い難い。はたして彼らは開幕をどのように迎えるのだろうか。開幕まで残すところあとわずかとなった今、現地メディアで報じられている日本人選手が所属する球団の今季ロースター(登録枠)予想から、彼らへの期待度がどれほどであるかを見ていきたい。

 まずは、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平だ。3月25日、大谷はエンゼルスの開幕投手を務めることが報じられた。自身にとっては、メジャー5年目で初めてのことだ。昨年のア・リーグMVPであることから、今年の活躍が大いに期待されている半面、体調管理や調整がうまくいくのかという心配の声が現地メディアから漏れていた。ところが、オープン戦が始まるとその不安は一掃された。

 今年初の登板となった3月21日のカンザスシティー・ロイヤルズとの試合で、大谷は2回1/3を投げて5奪三振をマーク。この好パフォーマンスに、『MLB.com』でエンゼルスの番記者を務めるレット・ボリンガー記者は、「これは恐ろしい。大谷はよい状態だ」と試合の速報記事で伝えている。大谷は、3月15日に行われた記者会見で「フィジカル面はすでに昨年よりいい状態でここまできている」と話していたが、実戦ではその言葉通りの素晴らしい仕上がりをみせた。その投球に、エンゼルスのジョー・マドン監督も「大谷はとてもよかった。素晴らしかったよ」と目を細める。さらに、“ピッチングニンジャ”の愛称で知られる投球分析家、ロブ・フリードマン氏も、「制球力は昨季の序盤以上、今の状態はシーズン中盤並みだ」と評価。

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