巨人の丸佳浩
巨人の丸佳浩

開幕まで3週間を切り、新庄剛志監督率いる「予測不能」の日本ハムを除くと、各球団の打線の輪郭が見えてきた。

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 立浪和義新監督が就任した中日は若手の台頭が目立つ。3年目の岡林勇希が攻守でアピールして1番の筆頭候補に。「将来の4番」として期待される石川昂弥も三塁で使い続けている。三塁だった高橋周平を二塁にコンバートしていることから、結果が出なくても当面は石川を我慢強く使い続けるだろう。広島は鈴木誠也がポスティング・システムでメジャー挑戦を目指すため、「新4番」がカギを握る。オープン戦ではドラフト6位のスラッガー・末包昇大を4番でスタメン起用している。大阪ガスで4番を務め、昨夏の日本選手権では打撃賞を獲得して優勝に貢献。広島は坂倉将吾、小園海斗など成長著しい若手が多い。ニューフェースが4番で期待に応えれば、大きなプラスアルファになる。

 優勝候補の巨人は、「1番打者」がポイントになりそうだ。オープン戦では丸佳浩を3日の西武戦から3試合連続で1番に起用している。丸の昨年のスタメン起用を見ると3番が55試合で最も多く、6番が22試合、5番が16試合。1番は7試合だった。1番起用は意外に見えるが、チャンスメークを任せられる人材がいないという悩みがある。

「松原聖弥が本来ならリードオフマンを務めなければいけないのですが、春季キャンプの実戦から淡白な打席が目立ち、精彩を欠いている。能力は高いのですが生かし切れていない。丸は出塁率が高いし、チャンスメークができるので開幕も1番の可能性が十分にあると思います」(スポーツ紙のデスク)

 育成契約で入団した松原は天才的な野球センスで階段を駆け上がっていった。2018年にイースタン新記録の133安打をマークし、支配下昇格も勝ち取った。昨年は135試合出場で打率.274、12本塁打、37打点をマーク。1番でチーム最多の77試合スタメン出場し、育成出身で球団初の規定打席に到達した。オフには背番号が31から9に。昨季限りで現役引退した亀井善行1軍外野守備走塁コーチの背番号を継承したことが、球団の大きさを物語っている。

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