新型コロナ対策のまん延防止等重点措置について、東京、神奈川、大阪、兵庫など18都道府県で21日までの延長が、4日決まった。再び感染が拡大する懸念があると見られている。感染者数のピークは越えたものの、依然として全国で2万7千人以上が感染し、62人もの死亡が確認されている。各自治体の人口100万人当たりの新規死亡者数を見ると、自治体との格差も見えてきている。
【表】東京の人口当たり死者数は意外と低い? 47都道府県データ一覧
* * *
「関西での死亡者数が抜きん出ている」
こういうのは札幌医科大の井戸川雅史准教授だ。医学部附属フロンティア医学研究所ゲノム医科学部門では、都道府県別に人口100万人あたりの新型コロナ死亡者数(死亡者数/人口)を集計し、データを公開している。データを見ると、3日時点の直近7日の新規死亡者数は全国平均で12・6人だが、大阪が26・6人と最も多く、京都22・0人、兵庫20・7人と続く。井戸川准教授は「死亡者が多いのは、感染の急拡大に対応できるほどの医療体制を整えることができなかったことが要因」と見る。
やはり、目立つのは大阪の死亡率の高さだ。官邸関係者も「異常に高い」と漏らす。大阪では1月に新規感染者数が急拡大し、連日1万人を超える感染者を出した。人口当たりの感染者数でも全国で最も高い数字になっていた。
大阪府は、1千床の大規模医療施設「大阪コロナ大規模医療・療養センター」を1月31日から稼働させたが、医療ひっ迫が叫ばれているにもかかわらず、4日の時点の入院者数はわずか64人と低迷。その他にも救急搬送が難しい事案が多数発生し、2月には大阪市が高齢者施設に対し、新型コロナ患者の症状が悪化しても直接119番通報するのは控えるよう通知を出す事態になっている。
また、橋下徹府知事(当時)らが保健所の統廃合が進めた結果、コロナのような有事に対応できる体制ではなくなってしまったという指摘も出ている。
しかし先月15日、吉村知事は、死亡率が高いという指摘に対してこんな反論をしたと報道されている。