2021年12月24日に公開されたアニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0』の興行収入が100億円に迫っている(1月30日時点)。映画では個性的なキャラクターを演じる声優陣にも注目が集まっているが、呪言師の狗巻 棘(いぬまき・とげ)役の内山昂輝(31)さんもその一人だ。ファンからは「落ち着いた声色がたまらない」「陰影のある声が魅力的」と絶賛されている。狗巻 棘は日常会話の語彙(ごい)が「しゃけ」「ツナマヨ」などおにぎりの具のみという特異な性質を持っているが、ファンの人気投票では常に上位に入る人気キャラだ。内山さんに狗巻のセリフに込めた思いや演じるにあたっての難しさなどを語ってもらった。
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――「劇場版 呪術廻戦 0」で改めて人気キャラクターである狗巻 棘を演じるにあたり、特に意識したのはどういった部分でしょうか。
棘は、最初に絵を見たときは物静かなキャラクターという印象だったのですが、原作を読んだり、TVシリーズが続いていく中で、わりと喜怒哀楽を表に出すキャラクターだというのがわかってきたんです。同級生とわちゃわちゃ遊んでいるような場面もよくありますし、感情の波もある。だから、うれしい・悲しい・楽しいといった感情は、出せそうなところはなるべくはっきりと出すようにしました。
とはいえ、棘は、普段の会話で使う言葉は「おにぎりの具」だけだし、戦闘シーンで呪言を使うときには命令形の強い言葉のみという、他の仕事では経験したことのないタイプのキャラクターです。だから、役を演じた“手応え”という点ではゼロです(笑)。
それこそ、TVシリーズで初めてのアフレコに取り組んだ時は、何が正解なのか全く読めないし、答えが出ない作業をずっと続けているような感じでした。慣れるまでには少し時間がかかったと思います。
――同じ「しゃけ」というセリフでも、真顔で発することもあれば笑顔のシーンもあり、微妙に違います。同じセリフなのに、シチュエーションによって与える印象が全く違うのがすごいところです。