エンゼルスの大谷翔平(GettyImages)
エンゼルスの大谷翔平(GettyImages)

 昨年、ア・リーグMVPや、シルバースラッガー賞(DH部門)など、11のタイトルを獲得した大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の待遇に、海外メディアは大層ご立腹のようだ。

 インドの『エッセンシャリー・スポーツ』は、1月6日(現地時間:以下同)付の「MLBで最悪の契約?大谷翔平は2022年に本来の価値よりも低い収入を得る」という記事で、大谷の年俸は衝撃的に低いと伝えている。

 現在の大谷の年俸は2年総額850万ドル(約9億7400万円)。その内訳は、2021年は年俸300万ドル(約3億4400万円)、2022年は年俸550万ドル(約6億3040万円)となっている。大谷の年俸(2021年)はMLB全体でも64位タイで、エンゼルスの中でも8番目である。1年で二桁億円以上の契約も珍しくないMLBの中では、比較的低い方だといえる。

 しかし、この契約は、大活躍を見せた昨年のシーズン開幕前(2月)にエンゼルスと交わしたもの。同メディアもその背景に理解は示すも、「(成績に対して)彼の年俸をみると、彼にふさわしいものとは程遠い」といい、「彼はもっと稼いでも良いはずだ」と納得のいかない様子をみせた。

 大谷の年俸はアメリカでも話題になっている。例えば、1月14日の『CBSスポーツ』は、「昨年のパフォーマンスに対して年俸の低い選手10人」という記事では、大谷が2位に選出されている。そして、「彼が現役のア・リーグMVPであることを考えると、エンゼルスにとって(2年契約の総額)850万ドルは、おいしい契約だった」と述べられている。

 また、北米の全プロスポーツの年俸(チームや選手個人)を掲載しているデータサイト『スポトラック』による、「選手の価値ランキング(2021年版)」でも大谷はMLB全体で3位に位置している。同ランキングは、選手の年俸に対して、どれだけの「生産性(貢献度)」があるかを数値化したもので、大谷の真の価値は、100点満点中99.74点であったとも書かれている。もちろん、これはエンゼルス内で最も高い数値であり、エンゼルス総年俸の3.41%である大谷は、チームにとっては “超お得”な選手ともいえる。

 そんな、大谷のお得さは、他のスポーツからも注目を集めている。『ファンネイション』が昨年9月に掲載した「スーパースター大谷翔平は、インディアナ・ペイサーズ(NBA)の11選手よりも少ない給料を稼いでいる」という記事では、次のように書かれている。

「来季、インディアナ・ペイサーズの11人の選手は、大谷がMLBでの年俸よりも多く稼ぐようだ」

 昨季プレーオフにすら進出していないインディアナ・ペイサーズの選手たちの方が、スポーツ全体でも最高の選手である大谷よりも高い給料であることを皮肉るぐらい、現地のメディアは大谷の年俸の低さに同情を示している。

次のページ