ソフトバンクの松田宣浩(左)とオリックスのジョーンズ(写真提供・福岡ソフトバンクホークス/オリックス・バファローズ)
ソフトバンクの松田宣浩(左)とオリックスのジョーンズ(写真提供・福岡ソフトバンクホークス/オリックス・バファローズ)

 12月も下旬となり、オフの大きな話題である契約更改もひと段落ついた印象を受ける。中には大幅年俸アップを勝ち取った選手もいるが、その一方で高額年俸に見合った結果を残せなかった選手も少なくない。そんな費用対効果の悪かった選手についてピックアップしてみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ(金額は推定)。

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 結果が出れば年俸も高くなるのは当然であり、そういう意味でも昨年まで日本シリーズ4連覇を達成していたソフトバンクは高給取りの選手が非常に多いが、今年に関して言えば非常にコスパが悪かったと言わざるを得ないだろう。中でも誤算だったのが外国人選手だ。日本人選手扱いとなっているバレンティンを含めて4人の選手が年俸3億円を超えていたが、今年の成績は以下のようになっている。

・サファテ(5億円):一軍登板なし
・バレンティン(5億円):22試合10安打4本塁打9打点0盗塁 打率.182
・デスパイネ(4億円):80試合69安打10本塁打41打点0盗塁 打率.264
・グラシアル(3億5000万円):37試合42安打5本塁打15打点2盗塁 打率.304

 サファテはソフトバンクに入団した2014年から4年連続で60試合以上に登板。2017年にはシーズン歴代最多となる54セーブをマークしてMVPにも輝いており、その功績もあって2018年シーズン開幕直後には翌年からの3年契約を結んだが、度重なる故障でこの期間一度も一軍で登板することができずに引退となった。それまでの活躍が規格外だっただけに致し方ない部分もあるが、過去にも松坂大輔と年俸4億円で3年契約を結んで全く戦力となっていない事例もあり、過去の実績を重視し過ぎていると言われても仕方がないだろう。

 野手についても3人の成績を合計しても19本塁打65打点と1人分でも物足りない数字となっており、とても12億5000万円分のリターンがあったとは言い難い。特に昨年ヤクルトから移籍したバレンティンは2年続けて期待を大きく裏切る結果に終わっており、費用対効果は極めて悪かったと言わざるを得ない。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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