ペナントレースに入れば、チームの勝敗がフォーカスされる。黒星が続けば、新庄監督への風当たりが強くなるだろう。実際に厳しい戦いが待ち受けているのは覚悟しなければいけない。今季25年ぶりのリーグ優勝を飾ったオリックスは山本由伸、宮城大弥のダブルエース、2年連続首位打者の吉田正尚、本塁打王と大ブレークした杉本裕太郎と伸び盛りの選手が多い。2年連続2位のロッテは投打にスキのない戦いに定評があり、3位の楽天田中将大が残留した。5年連続日本一を逃し、Bクラスに転落したソフトバンクだが投打の陣容はリーグ屈指。最下位に低迷した西武も懸案の投手陣で、ドラフト1位・隅田知一郎、2位・佐藤隼輔と即戦力左腕の2人を獲得した。優勝争いに加わる可能性は十分にある。

 一方でチーム改革に乗り出した日本ハムは西川遥輝、大田泰示、秋吉亮に来季の契約を提示せず保留手続きを行わないことを決断。大田はDeNAへの移籍が発表された。潜在能力の高い若手が多いが、1軍での経験が少ないため活躍できるかは未知数だ。

「正直、戦力だけを考えれば日本ハムは断トツの最下位です。正攻法では勝てない。新庄監督もそれは分かっているでしょう。創意工夫を凝らしてどのような戦いぶりを見せるか。選手の意識改革を含めて来季の戦いはもう始まっています」(スポーツ紙デスク)

 新庄フィーバーはペナントレースでも続くか。ビッグボスは白星を重ねて選手たちが注目されることを望んでいるだろう。(牧忠則)