臨時国会が閉会し、12月21日会見する岸田文雄首相
臨時国会が閉会し、12月21日会見する岸田文雄首相

 臨時国会が12月21日に閉会した。岸田文雄首相は同夜に記者会見し、安倍元首相時代に配布した“アベノマスク”について、引き取りの希望のないものは年度内に廃棄する考えを表明した。しかし、議論された国会議員に支払われる文書通信交通滞在費、いわゆる“文通費”の見直しなど法改正は、今国会では見送られた。

【写真】官僚らが「えー」、「あのー」と珍答弁を物マネする大臣はこちら

 岸田政権発足から2か月あまり。大方の予想を覆し10月末の衆院選で勝利したこともあり、当初は安定した船出が想定されていたが、年末になり、新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」への対応、18歳未満への10万円給付などでドタバタ劇が起こった。霞が関の官僚たちに聞いた岸田政権の「残念すぎる5閣僚」。政治ジャーナリストの角谷浩一氏とともに検証する。

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◆堀内詔子ワクチン担当相

 堀内ワクチン担当相は当選3回ながら、岸田派所属の若手として抜擢されての入閣。しかし、今国会では13日から始まった衆院予算委員会でも野党議員に「3回目接種でワクチンのメーカーを選べるのか」と質問されるも、「ファイザー(社製)を1、2回目で接種しても、モデルナ(社製)を接種していただく場合が多くなると思う。混合接種の安全性、有効性に関する情報を丁寧にやる」と要領を得ない答弁。

国会で答弁する堀内詔子ワクチン担当相
国会で答弁する堀内詔子ワクチン担当相

 その上で、全く関係ない話を答弁し始めるなどしたため、委員会が一時ストップ。再開後に再び「選べるのかと」と聞かれると、「あのー」「えー」「そのー」と言葉に詰まり、見るに見かねた後藤茂之厚労相が代わりに答弁する「珍事態」に。答弁能力に懸念の声が上がった。

「『えー、そのー』と堀内大臣のモノマネをする官僚もいるぐらい、評判は落ちています。堀内大臣への質問を事務方の官僚が答弁を引き取る場面すらあり、既に官僚は大臣の答弁能力を見切った状態ですね。霞ヶ関では『ワクチン担当相の役割とは一体、何か』という、笑えない想定問答を用意し、論戦に向かう大臣に持たせる始末でした」(内閣府官僚)

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空気が読めていない斉藤国交相