巨人の中田翔
巨人の中田翔

 大幅減俸だが、救いの手を差し伸べてくれた球団に感謝しなければいけないだろう。巨人中田翔が7日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸3億4000万円から1億9000万減の1億5000万円でサインしたことがスポーツ紙で一斉に報じられた。1億以上の減額制限は40%だが、大幅に上回る56%の大減俸となった。

【写真】“驚くほど美しい妻”と米で話題になったマー君の奥様はこちら(他7枚)

 スポーツ紙記者はこう振り返る。

「今年は中田らしさが全く見えなかった。体のキレがなくスイングも鈍い。結果が出ないことで自信を失っているようにも感じた。巨人で試練を味わいましたが、あのまま日本ハムにいても今オフに自由契約を通告され、引退危機を迎えていたと思います。大幅減俸になりましたが、来季の活躍を期待して巨人の『温情査定』だと思います。中田も不退転の決意で臨むでしょう」

 昨季は日本ハムで自己最多の31本塁打、108打点をマークして4年ぶり3度目の打点王を獲得。オフに5000万円増の年俸3億4000万円で更改した。あの契約更改から1年後。この事態を中田も含めて誰も想像できなかっただろう。

 不動の4番として期待されながら一向に調子が上がらず、ファーム降格を経験。後半戦の巻き返しが期待されたが、後輩選手への暴力事件が発覚し、8月に1、2軍戦の試合無期限出場停止処分が下された。野球人生の危機に立たされたが、同月に巨人へトレード移籍。2軍での調整を経ず1軍で即起用された。新天地で救世主として期待されたが、最後まで戦力になれなかった。34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点。得点圏打率.056と好機でブレーキになり、1軍と2軍を行き来した。リーグ制覇したヤクルトと対戦したCSファイナルステージでも1、2戦目は出場機会がなく、引き分けで敗退が決まる3戦の9回2死で代打出場したが空振り三振を喫した。

 批判の声が上がった巨人への電撃トレードだったが、日本ハムにあのまま残っていても明るい未来は待っていなかっただろう。チームが低迷し、栗山英樹監督は今季限りで退任。稲葉篤紀GM、新庄剛志監督が立て直しを図る中、球団は大胆な若返りを断行している。今オフは海外FA権を持つ西川遥輝、国内FA権を持つ大田泰示、秋吉亮と話し合った結果、来季の契約を提示せず保留手続きを行わないと発表。3選手は自由契約となった。中田は日本ハムで共にプレーしている稲葉GMを慕っているが、巨人に移籍していなかったらオフに西川、大田と共に自由契約になっていた可能性が高い。

次のページ