楽天のカスティーヨ(左)とロッテのマーティン(写真提供・東北楽天ゴールデンイーグルス/千葉ロッテマリーンズ)
楽天のカスティーヨ(左)とロッテのマーティン(写真提供・東北楽天ゴールデンイーグルス/千葉ロッテマリーンズ)

 日本シリーズも終わり、プロ野球は年間の表彰と契約更改、来季に向けての動きが話題となる時期となった。チームの命運を握ることが多い外国人選手も退団、新入団、移籍含めて様々な動きが出てきているが、今年の活躍が目立った選手と、期待に応えられなかった選手をそれぞれ3人ずつ選定してみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ。

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■パ・リーグベスト3: マーティン(ロッテ)

成績:116試合97安打27本塁打75打点4盗塁 打率.233

 打率こそ2割台前半ながら、27本塁打、75打点と来日3年目にしてキャリアハイとなる数字をマークし、チームを牽引する存在となった。シーズン前半は2番、夏場以降は4番と打順は変わっても持ち味である思い切りの良さを発揮。選球眼が良く、しっかりと四球(パ・リーグ7位タイの70個)を選んでチームのチャンスを広げることもできる。また少し不用意なプレーはあるものの強肩を生かした外野の守備と、積極的な走塁でも目立つ存在だ。シーズン終盤に自打球による右足の骨折で離脱したものの、早期に復帰する献身的な部分も光った。

■パ・リーグベスト2:マルティネス(ソフトバンク)

成績:21試合9勝4敗0セーブ0ホールド 防御率1.60

 2018年に来日して日本ハムに入団すると、いきなり10勝をマーク。その後は故障で低迷して昨シーズン限りで退団したものの、ボールの力が評価されてソフトバンクに入団。コロナ禍で来日が3月下旬となったが、5月からはローテーションの一角に定着してチーム2位となる9勝をマークする活躍を見せた。また敗れはしたものの、東京五輪でもアメリカ代表として決勝戦での先発も任されている。コンディションの問題なのか、明らかに日本ハム時代よりもボールの勢いはアップした印象を受ける。阪神のスアレスとともにパドレスとの契約合意が報じられているが、今年の調子を維持することができればメジャーでも活躍が期待できそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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