制作のスタッフだけでなく、我々探偵たちも常に考えていて、「これはどうやって撮ろうか」とスタッフと色々な話をして考えてやっている。制作側と探偵側とガッツリ話し合っているんですよね。

 どの探偵のVTRが面白いとか、もちろん、芸人だから自分のVTRは面白くあってほしいとは思うけど、そういうことじゃないんですよね。制作側はもちろん探偵側も番組全体が面白くなってほしいと思っている。だから、あまりうまくまとまっていないVTRがあると「あれは、どうしてこういう風になってしまったの?」「なんで、あそこでこういう風にしなかったの?」とか前向きな議論になる。「もっと、こういう風にやったほうが面白くなったんじゃないか」とか、みんなで考えるんですよ。松本(人志)局長ももちろん考える。今はコロナ禍で集まって飲んだりできないけど、みんなで集まって、酒飲みながらあーでもない、こーでもないを語り合ったりもしていました。

 そうして、みんなの目標がひとつになっていき、そこが、ナイトスクープの強みだと思っているんですよ。30年以上続く伝統もあるし。面白さのクオリティを落としてはいけないという気持ちもあるし、自分だけがウケればいいなんて誰も言わない、珍しい番組です。別に自分が出ていなくても「竹山は今回出ていませんがぜひ見てください!」って思いでいるし。例えば、探偵の1人であるたむらけんじのVTRが面白かったとしても「クソ、たむけんに負けた!」っていう気持ちもない。「たむけん、最高だなー!今日のナイトスクープは面白いぞ」となる

 あと、ナイトスクープのすごいのはロケに出たらボツはないんですよ。ロケに出たら絶対にオンエアしなければならない。だから、オンエアするためにどうするかを毎回真剣に考えるわけですよね。

 1回のオンエアでは3本のVTRが流れるんだけど、全てが全て面白いわけではないんですよ(笑)。ガチだからうまくいかなこともあるんです。全部、神回にしようとして、もちろんやってんだけど、たまに面白くないこともある。

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松本人志が「毎回100点だったらこの番組は続かない」