日本維新の会の馬場伸幸幹事長(撮影/上田耕司)
日本維新の会の馬場伸幸幹事長(撮影/上田耕司)

 先の衆院選で公示前の約4倍の議席を獲得した日本維新の会。公示前の11議席から41議席まで伸ばし、26人の新人を当選させた。さっそく国民民主党との連携を表明するなど、「第3極」としての足場を固めつつある。維新の動き次第で政局が動く可能性もある。今後、維新は国政でどのように存在感を発揮していくつもりなのか。幹事長の馬場伸幸氏に展望を聞いた。

【テレビを見ていて信用できないと思う政治家の1位は?】 

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「選挙が終わってから、取材の申し込みがめちゃくちゃ多いんです。テレビ、新聞、雑誌に出てくれと、ずーっとメディア対応ですね。ありがたいことやけどね」

 馬場氏は表情をひきしめながらこう語った。

 自民党、立憲民主党に次ぐ第3党となり、国政政党としての存在感が一気に増した維新に対して、メディアも大きな関心を寄せている。

 衆院選で維新は野党共闘には加わらず、独自路線を歩むことで勝利を収めた。同じく共産党とは距離を置いて選挙戦を戦った国民民主党も、今後の国会対応は、立憲、共産、社民の3党と同じ枠組みには加わらないことを表明した。

 9日、維新と国民民主の幹部は会談を開き、国会で独自法案の提出や憲法改正論議などで協力することを確認。自民、立憲の2大政党とは別の「第三極」の萌芽(ほうが)が現れ始めた。国民民主との連携にはどんな思惑があるのか。

「私たちは政権与党に対してずっと是々非々で対応すると言ってきました。しかし、これまでは衆院議員が11人しかいなかったので、肝心な(単独での)法案提出ができなかった。それが41人に増え、予算関連以外の法案は単独で出せるようになりました。予算関連法案は、51人以上の議員がいないと出せないが、国民民主の衆院議員11人を合わせれば52人となり、法案提出の条件を満たすことができる。国会活動では数は力です。ただし、すぐに統一会派を組むわけではありません。同じ路線を歩みつつある国民民主党と、できるところから協力し合いましょうということ。少しずつ距離を縮めていければと思います」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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小池百合子都知事との“連携”の可能性