「(赤木氏の件は)議員本人からも報告がありましたが、その運動員の人を『知らない』と言っています。『顔は見たことがあるが、名前と顔が一致しない』と。現時点では、本人の知らないところで起きた可能性が高いと思っています。今、捜査中であり、事実関係が明らかになっていないので、あまり詳しいことは言えません」

 この件とは別に、過去にも維新が公募した府立高校の校長や、区長などがパワハラやセクハラで辞職、処分されるなど不祥事が続いた。

「公募で決めているので仕方がない面がある。その人の内面までは、公募ではなかなか見通せないものなので……」

 不祥事に関しては危機感があるのだろう。6日、松井代表と馬場氏は当選した新人と元職の34人全員を大阪に集め、議員としての“心得”を説いた。

「松井代表が『ビシッと締めとかなあかん』と言って、リモートは認めず、実際に議員を集めて心構えを話しました。松井代表は『国会議員になったからと言って勘違いせんといてくれ。飛行機はファーストクラスに乗ったら絶対にあかん。乗ったら辞めてもらうから』と話していた。新人には維新スピリッツというのを理解してもらわんとね。霞が関の官僚たちは、新人議員でも『先生、先生』と言って、おだてるのが上手やから、中には自分が偉いんやと勘違いしてしまう人がいる」

 来年夏には参院選が控える。衆院選と同じような手応えはあるのか。

「衆院選の比例票を各都道府県にあてはめると、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫の5都府県で議席をいただける可能性が非常に高い。その次は複数の定数区に候補者の擁立作業を進めて行く。1人区のところはなかなか厳しいからね。そうやって1議席でも多く取れるようにしたい。参院選は3年ごとに行われるので、毎回、憲法改正の国民投票も同時にやったらいいと思う。国民投票も参院選の時にやったらいい」

 最後に、今後の目標を聞いた。

「これまでホップ、ステップ、ジャンプ構想と言ってきましたが、今回の衆院選はホップです。次はステップで衆院で100議席の獲得を目指す。最後のジャンプで、自民党と対峙できるような200議席以上を持つ政党にしたいと考えています」

 はたして、維新の党勢拡大はどこまで広がるのか。まずは国会での論戦を注視したい。(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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