辻元清美氏の応援に入った自民党重鎮の山崎拓氏(辻元氏のSNSより)
辻元清美氏の応援に入った自民党重鎮の山崎拓氏(辻元氏のSNSより)

 池下氏の応援のためにJR高槻駅前で10月29日、演説した吉村副代表も攻めに攻めた。

「元副総裁、幹事長で重鎮中の重鎮の山材氏が『小選挙区は辻元、比例は自民党』。わけわかりません。こんな選挙区、日本でありますか。辻元さん、国会ではソーリ、ソーリと自民党とケンカしていましたよね。茶番劇ですよ」

 維新は大阪だけではなく、兵庫6区でも小選挙区で勝利し、全国的にも比例区で議席を獲得した。その立役者となった松井代表だが、記者会見で「政治家はけじめが大事」とこれまで公言してきた通り、来年1月の任期満了で退任すると改めて述べた。

 吉村副代表もこう公言した。

「僕自身は松井代表に(続けて)やってもらいたい。僕という話もあるが、代表選には出るつもりはない。大阪維新の会代表で大阪府知事でもある。僕も松井代表に負けず劣らず、がんこです。(代表選には)出ません。この場で言いましたから」

 維新の国会議員の一人は、松井代表の退任、吉村副代表の不出馬についてこう語る。

「松井代表は橋下氏とともに維新の基礎を築き、大きくしてきた。その存在はとてつもなく大きい。退任と昨年から言っていたのですが、おそらく続けてくれるのだろうと思っていた。もし、松井代表がやめるなら、吉村さんが大阪維新の会と同じように、代表もやるのかと思っていた。どちらもやらないと言い出し、正直、不安はあります。次の代表は、創設メンバーの一人、浅田均政調会長という声もある。当然、橋下徹氏の待望論はあります。しかし、こればかりはわからない」

 自民党で20年以上、政務調査会の調査役を務めた政治評論家の田村重信さんはこう話す。

「コロナの閉そく感で自民党も立憲民主も嫌という層が全国的に維新を支持したと思う。維新の松井代表は安倍、菅政権時代は自民党とトップダウンで関係を築きあげ、政界で存在感を増した。岸田政権になり、疎遠となったが、逆に議席を増やし、自民党を脅かす勢力になった。何らか対策を打つべき」

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