なーちゃん/1989年生まれ。二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男のこうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。
なーちゃん/1989年生まれ。二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男のこうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。

 ヒカキンさんやはじめしゃちょーさんが所属する国内最大手のYouTuber事務所UUUMの鎌田和樹社長が不倫していると報道されました。同社は、報道内容について「おおむね事実と確認した」と発表しました。そして、鎌田氏は役員報酬を10カ月分自主返上すると申し出て、受理されました。この騒動は、鎌田社長の個人的なプライベートな情報であり、会社の業績とは直接的には関わらない情報ですが、報道後にUUUMの株価は下落しました。

 株主の望みは株価が上がり続けることと、配当をもらうことです。UUUM株式会社は、一時期7000円近くまで値上がりましたが、現在は1100円前後にまで下落しています。順当に株価が上がり続けていない点で、株主にはストレスが強い銘柄です。業績が上がるようなニュースがあれば問題はないのですが、なかなか盤石なビジネスモデルが見えない状況です。今回のような、可処分所得の高い既婚者の不倫について「さもありなん」と思う方々も少なくなかったと思います。ただ、会社の業績と関係のないニュースで株価が下落したこと、会社と株主を裏切る行為であったことは事実です。株主が望むのは、役員報酬の返上ではなく業績と株価の上昇です。単なるYouTuberの事務所というポジションの会社では、衰退してしまいます。UUUMだけでなく、YouTuber事務所と呼ばれる企業には、それ以上の大きな立ち回りや価値の創造が求められています。

 YouTuberは、芸能人とは異なり、事務所に所属しなくても問題なく仕事ができる職業です。本人がインフルエンサーであるため、YouTubeやTwitterやInstagramなどのすべてのプラットフォームからアカウントを消去されるようなことが起こらない限り、どこかしらのプラットフォームを通して自分の意見を主張したりファンと交流することができます。

 そんなYouTuberたちをサポートする事務所に求められる役割は、芸能事務所以上の仕事です。イベントや物販のセッティングや企業案件の営業、スケジュール管理など文字通りのマネジメント…だけでは、提供する価値が足りません。企画やチャンネルの方向性のプロデュース、本人が想定する以上のチャンスを広げる、いわばコンサルタントとしての役割を果たさないと、「どの事務所に入っても同じサービスが受けられる状態」になってしまいます。

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なーちゃん

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なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数209万人、総再生回数13億回(2019年10月時点)を誇る。

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