加害者はマッチングアプリで就活中の女子大生に近づいた。写真はイメージ(gettyimages)
加害者はマッチングアプリで就活中の女子大生に近づいた。写真はイメージ(gettyimages)

 マッチングアプリで知り合った女子大生らに乱暴した疑いで、警視庁に10回逮捕された元リクルートコミュニケーションズ社員の丸田憲司朗容疑者(31)。「反省の態度が見えない」(捜査関係者)という丸田容疑者だが、スマホには40人のわいせつ動画が残されており、今後、さらに逮捕が続く可能性もあるという。10回逮捕となった異例の事件だが、果たしてどれくらいの刑罰が下るのか。

【写真】昨年12月、女性への強制性交罪で実刑判決となった人気俳優はこの人

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 2020年11月、30代の知人女性に乱暴したとして準強制性交の疑いで逮捕された丸田容疑者。翌12月には、学生が就職を希望する会社の社員らに会える「訪問アプリ」を通じて出会った20代の女子大生に乱暴したとして同容疑で2回目の逮捕。被害者がトイレへと席を立ったすきに睡眠作用のある薬を酒に混ぜ、意識をもうろうとさせ乱暴するという卑劣極まりない手口だった。

 丸田容疑者のスマホには40人もの女性へのわいせつ動画が残されており、自宅からは大量の睡眠薬が見つかった。その後もアプリで出会った女子大生らへの余罪が発覚、同容疑などで次々に逮捕された。

 10月5日、20代の知人女性に、同様の手口でわいせつな行為をしようとしたとして準強制性交未遂の疑いで逮捕されたが、これが10回目。

「警視庁は悪質さと常習性に鑑み再逮捕を続けている。余罪についてさらに捜査を進めている」(全国紙社会部記者)

 反省したそぶりがなく、あいまいな供述を繰り返しているという。

 そもそも準強制性交等罪とは、飲酒で酩酊(めいてい)するなど、抵抗できない状態の人に性行などをする罪で、5年以上の有期懲役が科される。かつては準強姦罪という罪で、被害者の告訴が必要な親告罪だったが、2017年の法改正により準強制性交等罪に改められ、告訴の必要がない「非親告罪」となり刑罰も重くなった。

 希望する企業に入りたい一心の女子大生らの思いにつけ込み、その尊厳を踏みにじってきた丸田容疑者は、どの程度の刑罰を受けるのか。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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