相馬市の12~19歳の新型コロナウイルスワクチン接種完了者は7割を超えている※写真はイメージです(C)朝日新聞社
相馬市の12~19歳の新型コロナウイルスワクチン接種完了者は7割を超えている※写真はイメージです(C)朝日新聞社

 国内での新型コロナワクチンの接種が進み、12歳以上の小、中、高校生への接種も本格的に始まっている。保護者の中には主に副反応への心配から接種に慎重な声もあり、AERA dot.とYahoo!ニュースが9月に実施した保護者2000人を対象にしたアンケートでは、未接種者の27.9%が「打たせるかどうか決めかねている」と回答した。そんななかで参考になるのが、福島県相馬市のケースだ。同市は12歳から19歳までの7割以上が接種を完了しており、8月には市内の高校生、今月6日には中学生のワクチン接種による副反応の調査データを発表した。実際にどのような副反応が起こったのか。相馬市新型コロナウイルスワクチン接種メディカルセンター長で東京財団政策研究所・研究主幹の渋谷健司医師に取材した。

【データ】高校生・中学生の接種後副反応の結果はこちら

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 相馬市では、9月27日時点で市内の12~19歳でワクチン接種を完了した人が72.6%に上り、10代の学生への接種も進んでいる。10月からは既に希望調査を行っている12歳の小学6年生への接種もスタートする予定だ。同市では、行政と医師会が協力し、個別に接種日を決めて予約をするのではなく、自治体があらかじめ日程を指定する方式を取り、迅速に接種が進んだ。同市の取り組みは「相馬モデル」として全国的に注目されている。

 同市ではワクチン接種済みの住民に対し、主に副反応についてのアンケートを実施。現在、中学生と高校生を対象としたアンケートの結果をそれぞれ公表している。なお、接種したワクチンは全員ファイザー社製だという。

■高校生・中学生の副反応は?

 中学生へのアンケートの回答者数は、1回目接種で266人、2回目接種で260人。高校生(15~18歳)へのアンケートには、1回目の接種では161人、2回目は159人が回答した。1回目、2回目それぞれで副反応の症状、いつからいつまで続いたか、病院を受診したかなどを聞いている。

 まず、高校生の結果をみてみよう。1回目、2回目ともに最も多かった副反応は「接種部位の痛み(腫れ、かゆみ含む)」で、1回目接種後では73.3%、2回目では71.7%の生徒に症状があったという。それ以外の副反応については、1回目より2回目接種後に症状があった人が多く、「倦怠感(だるさ、疲れなど)」は2回目で59.7%、「頭痛」は同じく56.6%の生徒に症状があった。また、「特になにもなかった」という生徒は1回目で13.7%、2回目で6.9%だった。

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中学生でも「特別な副反応はなかった」