時は流れ、正式に結婚が決まった眞子さまの母・紀子さまの婚約内定では「紀子さまブーム」が巻き起こった。当時、紀子さまの結婚を精力的に取材していた渡邊さんはこう振り返る。

「紀子さまが婚約された時は、美智子さまは『紀子ちゃん、紀子ちゃん』と気さくに呼びかけるなど、紀子さまのことを大変可愛がっていらっしゃいました。美智子さまや紀子さまが何人かの仲間たちでテニスを楽しまれたあと、赤坂御用地で解散となった時に『ごきげんよう』とごあいさつされる美智子さまの横には紀子さまがいらっしゃった。まだ、結婚されていないのに、紀子さまは送られる側ではなく送る側に立っていたということ。それくらい美智子さまが自然に接していらっしゃいましたね」

 皇室の男性のほとんどは宮内庁が決めた女性と結婚するが、秋篠宮夫妻の結婚は違った。

「礼宮さま(現在の秋篠宮さま)は大学の書店の方に『誰かいい結婚相手いませんかね?』と聞きに行き、川嶋教授のお嬢さんである紀子さまを紹介された。当時学習院大学の新入生の紀子さまに一目ぼれして、交際を温め、婚約内定となりました。婚約内定発表は平成元年9月13日とまだ昭和天皇の喪中だったんですよね。これは、当時、私が記者をしていたということもありますが、非常に記憶に鮮明に残っています。記者会見で紀子さまに『紀子さんの初恋ですか』の質問に、紀子さまは礼宮さまの方を向いて『申し上げてもよろしいですか』と聞いて、礼宮さまが『うん』と促し、紀子さまが『そうでございます』と答えた。これで、紀子さまブームが起こり大変な人気となりました。長い歴史とともに皇室の婚約から結婚までというのは変わってきていると思います。一般的にもそうですが、何事においても家と家というものは時間がかかるんです。さかのぼると、美智子さまがお妃に内定した時も、最初は美智子さまに対して『一般市民』と周りが騒いだんですからね」

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美智子さまと初孫・眞子さまの絆と交流