また高市氏が2位になり、河野氏との決戦投票となれば、岸田派の票の行方が気になるところ。河野陣営の国会議員がこういう。
◆カギ握る清和会の96票
「岸田氏との決戦投票になると、清和会の大半は岸田氏に流れそうだ。河野氏に確実に票が来るのは二階派と菅総理に近い無党派だけでしょう。決選投票では他の派閥はまとまると言っているが、票がバラける可能性もあると思う。正直、議員票で勝負となれば、河野氏は苦しい展開になる。しかし、高市氏が2位なら清和会の票はそちらに集中するが、保守的な主張に嫌気をさしている議員が多い岸田派の票は河野氏へくると聞いている。うちとしては高市氏が2位になってくれた方がやりやすい」
一方、岸田派の国会議員は決選投票に持ち込めば、勝利が見えてくると語る。
「決戦投票になると、二階派以外の派閥の支援を得られやすいのは、うちだ。そこまで持ち込めればいける」
次の総理官邸の主が決まる総裁選の行方を見守る官邸は各候補者の情勢をこう分析している。
「終盤になり、河野氏の票が伸び悩んでいるという話を聞きます。理由は各メディアの世論調査で自民党の支持率が大幅に回復していること、立憲民主党の支持率が総選挙前にも関わらず相変わらず1桁台で低迷していることもあります。“選挙の顔”として、劇薬でもある河野氏を支持していた若手議員の一部が、この先を冷静に考えて岸田氏支持にベクトルを移しつつある、という話も聞こえてきます。河野VS岸田で決選投票になった場合、河野氏が勝つためには、1回目の高市票から麻生派分を剥がし、加えて二階派47票も上乗せするとギリギリで勝てないことはない、という票読みもあります」
総裁選が決戦投票となった2012年―-。安倍氏と石破茂元幹事長が争い、1回目は石破氏がリードしたが、決戦投票で安倍氏が逆転し、総理の座をつかんだ。
◆キャラが表れている政策集パンフ
自民党で20年以上、政務調査会の調査役を務めた政治評論家の田村重信さんはこう解説する。