(左から)河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行(C)朝日新聞社
(左から)河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行(C)朝日新聞社

 自民党総裁選は全国の自民党の党員・党友の投票の締め切りが9月28日、国会議員の投開票が29日と迫ってきた。マスコミの各種世論調査では、河野太郎ワクチン担当相が40%以上の支持を得ている。岸田文雄前政調会長が2番手で追い、小差で高市前総務相、少し離れて野田聖子幹事長代行という構図となっている。

【画像】高市氏の政策パンフレットには「軍師」も登場

 総裁選は全国の党員票(382票)と国会議員票(382票)を足した計764票のうち、1回目で1位の候補者が過半数を獲得すれば、当選となる。だが、過半数に届かない場合、1位と2位の候補者で決戦投票となる。

「党員票に強い、河野氏が1位になるのは間違いないでしょう。2位は岸田氏が優勢だが、高市氏も競っており、予断を許さないという見方が大勢です」(自民党幹部)

 総裁選終盤に入り、それぞれの派閥などでは党員票と議員票の「票読み」をしているという。会長の岸田氏自身が出馬している岸田派の国会議員によれば、議員票150票、党員票140票で計290票を固めたという。

「河野氏の議員票は120票、党員票は180票で計300票以上は取るでしょう。かなりの接戦になる。高市氏は議員票と党員票を合計して130票前後かなと予測している」(岸田派国会議員)

 だが、岸田氏が二階俊博幹事長に「党人事改革案」を迫り、「二階外し」のきっかけを作ったとして怒り心頭の二階派は、違う読みをしている。二階派幹部はこう解説する。

「岸田氏が議員票で140票、党員票では110票で計250票。河野氏が議員票130票、党員票200票で計330票とかなり優位になっている。高市氏は議員票と党員票150票ぐらいだろう」

 岸田派と二階派は立場の違いこそあるが、共通しているのは、議員票では岸田氏、党員票では河野氏がリードしているという認識だ。そして1回目の合計で河野、岸田両氏は過半数をとれず、決戦投票となる可能性が高い。

 昨年の総裁選では菅義偉総理に敗れた岸田氏。前出の岸田派国会議員は自信を見せる。

次のページ
岸田陣営の手ごたえとは?