日本ハムの清宮幸太郎(左)、ヤクルトの村上宗隆(c)朝日新聞社
日本ハムの清宮幸太郎(左)、ヤクルトの村上宗隆(c)朝日新聞社

 令和を代表するスラッガーとして底知れない可能性を秘めているのが、ヤクルト村上宗隆だ。19日の広島戦(神宮)で相手左腕・高橋昂也のカットボールを振りぬき、右翼席に飛び込む35号ソロ。この一発で通算100本塁打に到達した。21歳7カ月での到達は、1989年に清原和博氏(当時西武)が達成した21歳9カ月を更新するプロ野球史上最年少記録となった。

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「三冠王に最も近い選手だと思います。村上の魅力は逆方向にも1発を打てること。相手バッテリーは長打を警戒して外角攻めが通用しません。パワーも凄いですが、バットにボールを乗せる感覚が優れている。技術を磨いてきたから活躍できるんです。まばゆい才能を持っておる強打者ですが、天狗になることはないでしょう。練習熱心で向上心が凄い。まだ21歳ですが、常にベンチで声を出してチームを引っ張っています。気の早い話かもしれませんが、王貞治さん(現ソフトバンク球団会長)の868本塁打にどこまで迫れるか。果てしない道ですが、それほどの可能性を秘めた選手です」(スポーツ紙デスク)

 階段を駆け上がるような成長速度で、球団を代表する選手に上り詰めた。プロ2年目の19年に全143試合出場で打率.231、36本塁打、96打点をマーク。高卒2年目以内のシーズンで最多本塁打、最多打点と大ブレークする。新型コロナウイルスの影響で120試合制だった昨季は不動の4番として打率.307、28本塁打、86打点。ボール球になる変化球を見極められようになり、リーグ最多の86四球を選んだ。それに伴って打率も前年から7分上昇した。今季も侍ジャパン最年少で東京五輪に出場し、金メダル獲得に貢献。巨人岡本和真と熾烈な本塁打、打点のタイトル争いを繰り広げている。

 村上は17年ドラフト1位でヤクルトに入団している。九州学院で通算52本塁打と「強打の捕手」として注目されていたが、この年の「ドラフトの主役」は早稲田実業の清宮幸太郎だった。

 

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ドラフト1位の清宮はなぜ、伸び悩むのか?