中学時代から注目度の高かった高知・森木大智 (c)朝日新聞社
中学時代から注目度の高かった高知・森木大智 (c)朝日新聞社

 プロ野球ドラフト会議まであと約1カ月(10月11日開催)となり、高校生と大学生のプロ志望届提出者も発表される時期となった。各球団の最優先すべき補強ポイントはどこなのか。またそれに見合う選手は誰になるのか。真っ先に指名すべき1位指名候補を探ってみたいと思う。今回はセ・リーグの6球団だ。

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・広島:小園健太(市和歌山・投手)

 2016年からのリーグ3連覇後にチームは低迷。今季も9月9日終了時点で3位ヤクルトに10.5ゲーム差の4位と3年連続のBクラスが濃厚となっている。投手は若手の先発候補、野手は鈴木誠也のメジャー移籍を考えて右の強打者タイプが補強ポイントとなるが、2009年の今村猛(清峰)を最後に一人も高校生投手を1位指名していないことを考えると、そろそろスケールの大きいエース候補を獲得したい。そこで推したいのが小園だ。広島は投手であれば粗削りでもボールの強い選手を好む傾向が強いが、粗削りなまま伸び悩むケースも目立つ。やはりある程度のバランスは必要なだけに、高校生でも完成度が高く制球力の高い小園を獲得して将来のエース候補に育てたいところだ。

・DeNA:達孝太(天理・投手)

 野手陣は助っ人外国人への依存度は気になるものの、打線は強力で若手にも有望株が揃っていることからやはり最優先は投手となる。親会社がDeNAとなった2012年からはとにかく上位で大学生、社会人の投手を獲得し、一定の効果は出ているものの停滞している選手も目立つ。今年は高校生投手に好素材が多いだけに、1位指名では高校生を狙いたいところだ。競合を避ける傾向も強いが、それも球団の個性として尊重するのであれば、単独指名で狙えそうな投手としては達が筆頭候補となる。スケールの大きさは高校球界でも屈指で、190cmを超える大型右腕だが器用さも持ち合わせているのも魅力だ。チームに少ない大型の本格派だけに、ぜひ指名を検討したい投手である。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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