「他球団ならスランプでも我慢して起用してもらえますが、巨人は選手層が厚いので代わりの選手いくらでもいる。常勝を義務づけられている球団で、不調の選手の状態が上がるのを待っているほど余裕はありません。中田は日本ハム時代に不動の4番として活躍したイメージは強いですが、好不調の波が激しくスランプに入ると長かった。ああ見えて繊細な一面もあるので、不調に陥ると悩みすぎてドツボに入る時も少なくなかった。巨人は結果がすべてなので、主力選手も状態が悪かったら容赦なくスタメンから外しますし、2軍に落とす。日本ハムでレギュラーに定着してからずっと1軍でプレーしてきた中田がどん底に突き落とされてはい上がってくるハングリー精神があるか。今の状態が続くようだと、『第2の陽岱鋼』になる恐れも十分にあります」(スポーツ紙デスク)

 中田と一塁のポジションを争う中島は5日の阪神戦で7試合ぶりにスタメン出場し、初回に5号左越え2ランを放つなど好調をキープ。打率.298、5本塁打、22打点と勝負良い打撃でチームに貢献している。中島は移籍1年目の19年に43試合出場で打率・148、1本塁打で苦汁を嘗めたが、打撃フォームを改造して昨年は一塁の定位置をつかみ、100試合出場で打率.297、7本塁打、29打点とよみがえった。

 中田も中島のように復調できるだろうか。熾烈な優勝争いが続く中、結果を出さなければ1軍でプレーできる保証はない。(江口顕吾)