直撃に答える吉村洋文大阪府知事(撮影・今西憲之)
直撃に答える吉村洋文大阪府知事(撮影・今西憲之)

密なツーショットにも応じる吉村洋文大阪府知事(撮影・今西憲之)
密なツーショットにも応じる吉村洋文大阪府知事(撮影・今西憲之)

「大阪維新の会」の看板がかけられた白の選挙カーが8月28日、大阪府池田市内の路地を走り去った。

【写真】池田市長選で密なツーショットに応じる吉村知事

「大阪府知事の吉村です」

「手を振ってくれありがとうございます」

 マイクを握り、選挙カーから大きく手を振るのは、大阪維新の会代表の吉村洋文・大阪府知事。沿道から次々と住民が集まってくる。緊急事態宣言の中、府庁を離れて突然、予告もなく姿を現したのは、サウナ市長の辞任で全国的に注目される池田市の出直し市長選挙(投開票は29日)だ。

 吉村知事は大阪維新の会の公認候補の前池田市議、滝沢智子氏(40)の応援に入った。

 他に立候補しているのは、前池田市長、冨田裕樹氏(45)、前池田市議、保守系支援の渡辺千芳氏(67)、元池田市議の労組系支援の内藤勝氏(74)の3人。

 当初、サウナ問題で吉村知事、大阪市の松井一郎市長は「維新が公認して市長になった冨田氏の問題で、池田市民にご迷惑をおかけした。池田市長選挙に維新は関与しません」と消極的だった。

 選挙戦の初日も維新幹部がマイクを握り、「吉村知事はコロナ対応で応援に入れない」と語っていた。

 選挙情勢は当初、女性で40歳という若さの滝沢氏が有利と伝えられていた。だが、後半になって、渡辺氏が組織票や市議20年のキャリアで猛追。そしてサウナ市長として全国区になった知名度で、冨田氏は街頭演説で多くの人を集めるようになった。

 そんな選挙情勢に危機感を抱いたのか、吉村知事は会見で「池田市に絶対入らないということではない」と前言を翻し、池田市に入り、滝沢氏の応援にやってきたのだ。

 だが、大阪は連日、コロナ新規感染者が2千人を超え、自宅待機者があふれる危機的な状況が続く。吉村知事も自身のツイッターで「大阪で大規模な野戦病院を作る。課題も多い。できない理由を考えたらきりがないので、できる理由を考える。どこまでできるか分からないが、できる限り、やってみる。行動を起こす」と深刻さを綴っている。

 密の回避、人流抑制を吉村知事自身、ずっと言い続けてきたはずだ。

 演説中の吉村知事に「コロナ禍の池田市長選の応援、批判もあるが」とAERAdot.が直撃すると、こう答えた。

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吉村知事を直撃 答えは?