「選挙カーの中からの応援です。コロナ対策して応援しています」

 隣の滝沢氏も「吉村知事の応援は心強い」と語った。

 このような光景は、7月の兵庫県知事選挙でも見られた。維新の推薦候補の応援で、吉村知事は何度も神戸市の街頭でマイクを握った。結果は維新の推薦候補が圧勝した。

「吉村氏に池田市へ応援に来てほしい、とお願いしていた。しかし、大阪府は緊急事態宣言下なのでビデオメッセージでとなった。しかし、滝沢氏が苦しい戦いと知り、立ち上がってくれた。トップが来るのですから、負け戦はない。吉村氏の池田市入りで一気にこちらに流れがくると思う」

 維新幹部は嬉しそうな表情でこう語った。

 しかし、大阪維新の会の副代表だった今井豊府議は「闇献金」と「女性問題」を週刊新潮に暴かれ、26日に議員辞職。大阪維新の会の不祥事は続いている。選挙中の渡辺氏はこう訴えた。

「池田市で4千万円の税金を使って市長選をやっている責任は、サウナ市長を作った維新にあります。緊急事態宣言で不要不急の外出が求められている。にもかかわらず、外出をうながすように池田市へ選挙応援に来る吉村知事。何をお考えなのか、理解ができません。土曜日といえども、コロナ対応に専念してほしいと府民の一人として感じました」

 手を振る吉村知事を歓迎する市民がいる一方で、冷ややかな声もある。

「コロナやのに、おとなしくしたらどうなんか」

 AERAdot.の直撃後、こうした冷ややかな声が聞こえたのか、吉村知事は「市長選になって申し訳ありません。維新にもう一度、チャンスをください」と謝罪を入れ、訴えるようになった。29日の投開票に「吉村砲」はどんな影響を与えるのか?

(AERAdot.編集部 今西憲之)