「政府は、QRコードを活用した地方公共団体独自の取組を踏まえ、クラスター対策のための効果的な情報収集・分析・共有の在り方、新技術等の活用及び実効性を上げるためのインセンティブ等の仕組みについて、パイロット的に特定の地域で実証することも含め、検討を行う」

 一方、接触確認アプリ「COCOA」や大規模ワクチン接種会場で使用される予約システムなど政府が発注した新型コロナウイルス関連のアプリやシステムは不具合が相次いでいる。

 官邸関係者は「QRコード自体は否定するものではなくむしろ推進すべきものだとしても、尾身会長が特定の業者と密着し、動く姿には危うさを感じる」と指摘する。

 前出の上氏もこう語る。

「公衆衛生の専門家がそんなところに口を出すことに違和感を覚える。開発業者側とは一歩引いて接するべきです。それに厚労省OBの天下り先にお金が落ちるようなことは国民の理解は得にくいのではないか」

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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