今道:解答では二番目に「教員としてその育成にどのように取り組んで行くか」を書きますよね。この時、中学校が対象になるような「社会性の育成」を書いても駄目で、小学校にふさわしい内容にしなければ駄目だということです。それともう一つ気をつけたいキーワードがあります。

もとゆき:「社会性」ですよね。

今道:お見事、その通りです。「社会性がある人・ない人」といった使い方をしますが、要は「他の人と関わってうまくやっていける」とか、そういった意味ですよね。小学校での社会性の育成であれば、余り難しい指導はできないですから、ごく基本的な挨拶の励行とか、そういうところから始めるべきでしょう。そこを押さえた上で、こんな答案にしたらどうでしょう。

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【問題】
子どもたちの社会性を育むことの意義を指摘した上で、教員としてその育成にどのように取り組んで行くか述べなさい。但し、小学校に即した内容にすること。
【解答】
<子どもたちは成長するにつれ、クラスメイト、部活の先輩後輩、近所の人など様々な人と関係性を作っていくことになる。このため早い段階から、周りの人と関わり、協力し合いながら生きていく、社会性を育んでいくことが重要である。>小学生は基本的な社会性を育む時期である。そのために、まず、毎日挨拶をきちんと行うように指導したい。さらに、ペアまたはグループによる調べ物学習などに取り組ませる、あるいは係の仕事をグループで責任を持たせやり遂げさせる、といった指導を行い、人と協働して物事に取り組む力をつけさせたい。
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今道:上記の答案では、<>で囲んだ部分で、1「子どもたちの社会性を育むことの意義を指摘」に答え、そのあとの部分で、2「教員としてその育成にどのように取り組んで行くか」に答えています。さらに、取り組みが小学校向けのごく初歩的な内容で書かれています。

もとゆき:きっちり出題の指示を満たしていますね。

今道:問題が複雑になればなるほど、何が問われているのかしっかり分析して、それに沿って答えることが大事です。