巨人の中川皓太(c)朝日新聞社
巨人の中川皓太(c)朝日新聞社

 巨人の中川皓太が、左第十肋骨骨折のため東京五輪の日本代表を辞退することを6月25日に発表した。代役として追加召集される選手が注目される中、ある球団関係者が複雑な胸中を口にした。

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「中川の代役として選ばれるとすれば、侍ジャパンではセットアッパーでの起用になる。チームで先発ローテーションとして回っている投手は心身共に負担がかかる。先発と救援は調整も試合での力の出し方も全く別物ですから。選ばれた選手は嬉しいでしょうけど、チームとすれば『ケガしないで帰ってきてくれよ』が本音だと思います。できれば、救援の投手を選んでほしいと思っているでしょう」(セリーグ球団の首脳陣)

 中川は19年11月に開催された「プレミア12」で左の救援として3試合登板で無失点と活躍。同大会初優勝に貢献した。東京五輪でもセットアッパーとして計算していただけに、故障での出場辞退は稲葉篤紀監督にとって大きな痛手だろう。

 救援という役回りを考えれば、楽天の守護神・松井裕樹がしっくりくる。稲葉監督は松井の他に、DeNA・今永昇太、ソフトバンクの千賀滉大も候補にしていることを明らかにしている。今永と千賀は共に先発要員であることに加え、故障明けであることも共通している。左肩のクリーニング手術から5月下旬に復帰した今永だが、まだまだ本来の調子には程遠い。6試合登板で2勝2敗、防御率4.19。稲葉監督が視察した6月30日の中日戦(神宮)でも良い球と悪い球にばらつきがあり、マウンド上で首をかしげる場面が。ビシエドに被弾するなど5回3失点とピリッとしなかった。一方、左足首の靱帯損傷のケガから復活を目指す千賀は6月29日の3軍の練習試合に先発登板。侍ジャパンの建山義紀投手コーチが見守る中、直球は最速156キロを計測し、5回途中1失点の内容だった。

「稲葉監督は今永、千賀の能力を買っています。もちろん、球界を代表する投手であることは間違いないのですが、まだ復活に向けて発展途上の段階で状態がベストではない。代表に選ぶのはどうかなと。楽天で抑えをやっている松井が良いと思いますが…」(スポーツ紙デスク)
 

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