かつては芸能人に対して「良い子はつまらない」という意見もあったが、今はコンプライアンスが重視され、ちょっとした発言が炎上すれば共演者やスタッフにも迷惑がかかってしまう。その点、福原の優等生ぶりは周囲にとっては安心材料だろう。だが、当の福原自身は内心で葛藤もあるようだ。

■強い言葉を言える自分になりたい

「昨年3月、福原に密着した『情熱大陸』(TBS系)でのこと。『どの現場をのぞいても良い子だと言われる』と紹介されていた福原。一方、新曲を作るための打ち合わせで作詞家が、『役を演じる延長で歌の中にも役があったら面白いかなと思う。やってみたい役ってないですか?』と聞くと、これに福原は『強い自分を演じてみたい。強い言葉を言える自分になれるような』と打ち明けていました。また、別のシーンでは『いつも不安です』『オーディション受けても全然、受からなかったりとか。やめようと思ったことはあります。何回も』と告白。周囲から優等生に見られる苦悩や葛藤も持っているようです」(同)

 ただ優等生なだけでなく、福原が他の女優とは一線を画している点は、子役として成長しても調子に乗らずに謙虚にチャレンジしてきた点だろう。

 同年代の“まいんちゃん”として料理番組に出演していた福原だが、それだけでは終わらず、実際に料理上手になろうとしている。「ORICON NEWS」(2020年6月26日配信)のインタビューでは、特にお菓子を作るのが好きで、難易度が高いため「ちゃんとできるかな?」というワクワク感もあると明かしていた。また、オートミールを食べるようになりレパートリーを増やすため、ネットでレシピを検索しながら試行錯誤するそうで、今後はヘルシー料理も研究したいと意欲もみせていた。

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、福原の今後についてこう分析する。

「もともと彼女が持っていた素質だと思いますが、Eテレ出演で培った真面目さ、ひたむきさはまさに折り紙つき。一見、簡単そうに見えますが、子ども向け番組ではシンプルかつ子どもにも伝わる表現力や嫌みのない立ち振る舞いが要求されます。そのレギュラーを4年も続けられたということは、それだけ彼女のポテンシャルが高かったということ。好感度の高さや知名度の幅広さは同年代の中でも群を抜いていると思います。女優としてはまだ方向性や演技の幅を模索している途中だと思いますが、その類まれなる吸収力と努力で難なくクリアするでしょう。今は女優・歌手としての活動に力を入れて頑張っていますが、大人になったまいんちゃんが活躍する料理番組も見てみたいですね」

 その優等生ぶりから、近い将来に「朝ドラヒロインに抜擢」というサプライズもあり得るかもしれない。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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